11月25日に来季2025年シーズンのWRC世界ラリー選手権への参戦体制を発表したTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR WRT)。基本ラインアップは変わらないものの、カッレ・ロバンペラのフル参戦復帰や、サミ・パヤリの新加入などが発表された。TGRはあわせてプレスリリースを発表し、各選手のコメントを公開した。
つい昨日まで開催されていた2024年のWRCで13戦中8勝を挙げ、最終戦のラリージャパンでヒョンデを逆転し、4年連続のマニュファクチャラーズタイトルを獲得したTGR WRTが、その翌日に早くも来季2025年の参戦体制を発表した。
2025年シーズンに向けては、33号車エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組、18号車勝田貴元/アーロン・ジョンストン組、17号車セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組というラインアップはそのままに『マニュファクチャラーズタイトルを守り、ドライバー、コ・ドライバー選手権のタイトル奪還』を使命に挑む。
その目標を達成するため、二度の世界チャンピオンを獲得したカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組がフル参戦復帰。また、2024年WRC2王者で、TGR WRTからラリー1に3戦出場した若手のサミ・パヤリが新加入する。
チーム代表は引き続きヤリ-マティ・ラトバラが務め、ユハ・カンクネンが代表代行の役割を担うという充実の体制を敷いたTGR WRT。各ドライバーおよびチーム代表のコメントは以下のとおりだ。
ヤリ-マティ・ラトバラ(チーム代表)
「2024年シーズンはチームにとって新しいチャレンジの年だったけど、私たちはハイレベルなパフォーマンスを維持し、最終戦の最終日まで戦い続け、マニュファクチャラーズタイトルを無事守ることができた。そして2025年、ここ数年一緒に戦ってきた強いドライバーたちとふたたびチームを組めることをとてもうれしく思っている」
「来年はカッレ(・ロバンペラ)もフル参戦に戻り、ラインナップをさらに強化してくれる。また、若手育成の一環として、サミ・パヤリをメンバーに迎え入れることができるのも素晴らしいことだ。サミは今年著しい成長を遂げ、私たちは彼がトップカテゴリーにステップアップする準備ができていると自信を持っている」
「個人的には、チーム代表の役割と、伝説のトヨタ・セリカでのドライブへの情熱を同時に遂行する機会を与えてくれてとても興奮しているよ。そして、ユハ・カンクネンがチーム代表代行として、私やチームをWRCイベントでサポートしてくれることを非常にうれしく思っている。彼はチームをよく知っているし、豊富な経験を共有してくれるからね」
ユハ・カンクネン(チーム代表代行)
「この役割を担うことができ、大変うれしく思っている。現役時代、さまざまななチームで走ったけど、トヨタとは合計で9年間一緒に戦った。トヨタはWRCでのチャンスを与えてくれた最初のメーカーであり、おそらく世界のなかでも最高のチームだと思っている」
「素晴らしいメンバーがいて、ヨーロッパと日本の協力体制も素晴らしい。このチームスピリットとチームワークは非常に重要で、皆がともに努力をしているんだ。私は豊田会長とも良好な関係を築いていて、ここ数年、イベントでのデモランなどで一緒にドライブをしてきた。もちろんヤリ-マティとも良い関係だよ。彼はとても話しやすく素晴らしい人だ。彼らとより密に協力し、チームをサポートできることをとてもうれしく思っている」
エルフィン・エバンス
「来年もTGR-WRTで継続できることをとてもうれしく思っている。2020年以来、私たちは素晴らしいシーズンをともにしてきた。2024年は私たちが望んでいたほど成功した年ではなかったかもしれないけど、チームにはまだまだポテンシャルが残っているし、自分自身ももっとできることがあると思っているから、来年もこのパートナーシップを継続することが楽しみだ。チームも私たちクルーも、ともに懸命に働き続け、さらに良い結果を達成できることを期待している」
カッレ・ロバンペラ
「来年はふたたびフルシーズンでWRCを戦うことをとても楽しみにしている。私とヨンネは、今年はこれまでとは違った一年を過ごした。さまざまなクルマの運転を楽しみながら、いくつかのWRCイベントで勝利を収めることもできた。良い一年だったけど、WRCのフル参戦に戻るモチベーションももたらしてくれた。ヨンネとともにドライバー、コ・ドライバータイトルに向けてプッシュし、マニュファクチャラーズタイトル奪還に向けてもチームとともにベストを尽くす」
セバスチャン・オジエ
「2025年もTGRに残ることになり、本当にうれしく思っている。ここまでチームとともに、たくさんの勝利と成功を収め、素晴らしい5シーズンを過ごしてきた。このストーリーを続けることを心から楽しみにしている。私の主な目標は、一部のラウンドに参加しながらチームのマニュファクチャラーズタイトルに貢献することであり、できればドライバー、コ・ドライバーも含めたすべてのタイトルを取り戻したい。チームとともに、限界までプッシュし続けるよ」
勝田貴元
「2025年もチームと継続できることが本当にうれしいです。今年は私にとってチャレンジングなシーズンでした。難しい時期を支えてくれたチームやすべての方々に感謝しています。ほとんどのラリーにおいて、自分の持つスピードは示すことができ、自信も高まってきているので、来年の目標はすべてのラリーにおいて適切なリズムを見つけることです。もしすべてがうまくいけば、もっと多くのイベントで表彰台争いができると確信しています」
サミ・パヤリ
「夢が叶ったよ。チームがこのような素晴らしい機会を与えてくれたことを本当に感謝している。私の夢が実現するまで、他にもたくさんの方々が私をサポートしてくれた。今年はGRヤリス・ラリー2での戦い、そしてラリー1車両での初参戦と、素晴らしいシーズンだった。一旦、夢だった場所には到達したけれど、良い結果を出すためには、ここからが本当に大変な仕事になると理解している」