ランボルギーニはWEC世界耐久選手権のハイパーカークラスとLMGT3クラスへの参戦を「一時停止」し、同シリーズへの一年間のコミットのあと、エントリーを取り下げたことを認めた。
イタリアのスーパーカーが選択した動きは、11月22日に発表され計36台のマシンが名を連ねた2025年の暫定シーズンエントリーリストに、『ランボルギーニSC63』と『同ウラカンGT3エボ2』が掲載されなかったことで確定した。
別途発表された声明の中でランボルギーニは、WECがハイパーカーメーカーに2台体制を義務付けたことが「もはや我が社の戦略と合致しない」と述べ、エントリーを取り下げた主な理由として挙げている。
なお、同ブランドはあわせてSC63 LMDhプログラムへのコミットメントを改めて表明し、北米の耐久シリーズであるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権への参戦を継続すると述べた。
■WEC休止が新型GT3の開発に影響
ランボルギーニが発表した声明には「最高レベルで戦うことはランボルギーニ・スクアドラ・コルセにとって名誉なことであり、今後数年間の野望であり続ける」とある。
「2025年からハイパーカークラスに(参戦する自動車メーカーに)2台体制を義務付ける競技規則の変更は、ランボルギーニが今年の選手権に参戦するうえで承諾した条件を変更するものであり、もはや我々の戦略と一致しない」と続く。
「そのため、ランボルギーニは選択肢を検討し、2025年のWECに参加しないことを決めた。一方、アメリカで開催されるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権への参戦を継続することで、SC63の開発へのコミットメントを維持する」
「WECプログラムの休止は、ランボルギーニ・スクアドラ・コルセが新型テメラリオGT3の開発に集中することを可能にする。このクルマは2025年に屋外でのテストを終えた段階で正式発表される予定だ」
「ランボルギーニ・スクアドラ・コルセは、スポーツカーレースの黄金時代に参戦する機会を与えてくれたACOフランス西部自動車クラブとFIA国際自動車連盟の両組織に感謝の意を表すとともに、2024年シーズンを通してサポートしてくれたことに感謝している」
ランボルギーニの2025年WEC不参加が正式決定する数日前の水曜日、かつてのパートナーチームであるアイアン・リンクスはGT3ブランドのスイッチを明らかにし、新シーズンのプログラムをメルセデスAMGとともに実施することを認めていた。
1年のみでWECのグリッドから姿を消すランボルギーニ。今年2月、1台体制で公式戦デビューを飾ったSC63は、その後の8レースで計11ポイントを獲得し、シリーズのハイライトであるル・マン24時間レースでは、ミルコ・ボルトロッティ/ダニール・クビアト/エドアルド・モルタラ組63号車がトップ10フィニッシュを果たした。
一方、アイアン・リンクスの下でLMGT3クラスに参戦したウラカンは、スパ・フランコルシャン6時間レースで、クラウディオ・スキアボーニ/マッテオ・クレッソーニ/フランク・ペレラ組が乗り込んだ60号車が3位に入り、これが同陣営のベストリザルトとなった。