森本慎太郎、映画『正体』の場面写真公開　藤井道人監督と初タッグで奮闘「めちゃくちゃいい経験でした」

　俳優の横浜流星主演、藤井道人監督の映画『正体』（29日公開）において、日本各地で逃亡を続ける鏑木（横浜）が大阪に潜伏中に出会い、やがて友人となる野々村和也（森本慎太郎）の場面写真が公開された。

【場面写真】タトゥー、背中に傷…普段とは違った表情の森本慎太郎

　映画『正体』は、染井為人氏の同名小説（光文社文庫）が原作。日本中を震撼させた殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けた鏑木（横浜）が脱走することから物語は始まる。全国に指名手配される中、偽名を使い、容姿を変えながら、沙耶香（吉岡里帆）、和也、舞（山田杏奈）らと出会い、刑事・又貫（山田孝之）の追跡を間一髪で交わしながら逃げ続ける鏑木の真の目的とは…343日間の逃走の果てにたどり着く真相とは。

　このたび解禁となった場面写真は、大阪の工事現場で日雇い労働者として働く和也が職場の宿舎の浴場で鏑木と出会い、知り合って間もない鏑木を見つめるカット。鏑木と友人になるがその後姿を消した指名手配犯鏑木についてテレビのインタビューを受けるカットの2点だ。

　初の藤井組参戦となった今作では、天性の明るさと本人のひた向きな努力によって演じた和也に人間味と親しみやすさを持ち込み、俳優としてあらたな一面を見せているが、夏編の撮影となった大阪での撮影について「大阪にいる期間はマジで不安でした！」と当時の心境を語る。

　「みなさん『和也推しだよ』とか『和也のあのシーンマジでよかったよ』って言ってくれるけど、俺の不安が隠しきれなくてみんながフォローしてくれているんじゃないかと思っていたから、正直不安だったけど藤井監督の演出やアドバイスが僕は好きだったから、楽しみでもありました」と振り返る。

　さらに「藤井監督が毎シーン気持ちや言い回し、表情だったりいろんなことを教えてくれて、和也という人間のパーソナルな部分を一緒に作ってくれたというのがあって。自分自身の不安が和也の人に対する接し方とか自分の置かれている現状みたいものに重なっていた気がして、そういうところも藤井監督がうまく表現してくれたのかなと思います。本当に難しかったし本当に大変だったけどめちゃくちゃいい経験でした。すごく充実していました」と胸を張る。

　また、森本について横浜も「森本くんは持ち前の明るさで現場の雰囲気をよくしてくれたし、和也と向き合って必死に食らいついていく姿を見て、昔は自分がそこにいたので昔の自分を見ているような感覚もあったし、鏑木と同じような感情を抱くことができました」と語っている。

　森本が「藤井組に参加して得た経験が今後の役者人生にたくさん影響していくだろうなと思います」と手応えを口にしている通り、真摯に和也役に向き合った森本により、逃亡を続ける鏑木を”信じる”一人として、観る人の心を掴むキャラクターが完成した。