第216臨時国会が28日に召集される。10月の衆院選後初の本格論戦が行われ、自民党の派閥裏金事件を受けた政治改革が最大の論点。少数与党を率いる石破茂首相は野党の協力も得ながら、政治資金規正法の再改正や、2024年度補正予算案の成立に全力を挙げる。会期は12月21日までの24日間。
召集翌日の29日に首相の所信表明演説、これに対する衆参両院の代表質問を12月2〜4日に行う。同5日に衆院、同6日に参院で首相と全閣僚が出席して予算委員会を開催。同9日から補正予算案の審議に入る予定だ。
政治改革を巡っては、与党と立憲民主、日本維新の会、国民民主各党などが26日に協議を開始。政策活動費の廃止ではおおむね一致したが、立民などの訴える企業・団体献金の禁止に自民党は慎重で、合意できるかは見通せない。
与党はまた、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開などの年内実現も目指し、野党と議論を進めている。
補正予算案に盛り込まれた総合経済対策は、国民民主の協力を得るため、所得税の負担が生じる「年収103万円の壁」について、25年度税制改正で議論し引き上げる方針を明記。ただ、国と地方の大幅な税収減となりかねず、引き上げ幅と財源が焦点となる。
自民、公明両党の幹事長、国対委員長は27日、東京都内で会談し、政治改革の実現に向け、臨時国会で必要な法改正に取り組む方針を確認。補正予算案の成立を期すことも申し合わせた。
一方、立民と維新、共産党、衆院会派「有志の会」は、政治改革の実務者協議を国会内で行い、政策活動費の廃止と企業・団体献金の禁止を重視することで一致。法案として取りまとめ、臨時国会で共同提出を目指す構えだ。
立民は来年夏の参院選に向けた連携をにらみ、国民民主とれいわ新選組にも参加を呼び掛けたが、両党とも欠席した。