AIプロジェクトに携わるダニール・クビアト、日本のレース参戦に含み「オープンに議論していきたい」

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2024年11月28日 17:20  AUTOSPORT web

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AIレース『A2RL』の開発ドライバーとしてスーパーフォーミュラ最終戦に来日したダニール・クビアト
 2024年のスーパーフォーミュラ第8戦・第9戦が行われた鈴鹿サーキットで、国内初披露となった自律走行レースリーグ、Abu Dhabi Autonomous Racing League(A2RL)のデモンストレーションレース。初日の『AI vs AI』は完走できていたが、2日目の『AI vs HUMAN』ではAI車両が早々にクラッシュを喫してしまい、鈴鹿サーキットでのコラボ走行はある意味でお預けという結果になった。

 このプロジェクトに携わる元F1ドライバーのダニール・クビアトは、鈴鹿でのプログラムを終えてプロジェクト発展の可能性と、国内レースへの興味について語ってくれた。

■初めて生で見たSFは「F1と比較できる部分もあるくらいの速さがある」

「改めて、日本に戻ってくることができて嬉しいし、特に今回はこれまでとは別の理由だから、僕にとっても重要なイベントになった」とクビアト。F1に参戦していた頃は鈴鹿サーキットでの日本グランプリで毎年来日していたが、今回の鈴鹿来場は2019年以来だという(※富士スピードウェイには、9月のWEC第7戦の際にランボルギーニSC63のドライバーとして来日)。

 注目のAI vs HUMANは前述のとおり、AI車両のクラッシュで叶わなかった。その原因についてクビアトは「詳しくは調査しないと分からないが、タイヤの空気圧に少しの差があったのかもしれない」と分析。確かに前日までとは打って変わって日曜日は曇り空だったという微妙なコンディション変化が影響した可能性がありそうで、のちにシリーズから発表されたリリースでも、同様の見解が示されている。

 NISSINブレーキヘアピンの立ち上がりでAI車両がスピン状態になってクラッシュしたが、その背後にいたクビアトは「最初見た時は残念だったけど、これも理想的なものにしていくためのプロセスの一部だ」と語る。

「確かに日曜日のセッションは僕らが理想とする形で終えることができなかったかもしれない。サーキットに来てもらったファンの皆さんにも、僕らが取り組んできたことを見てもらいたかったと思う。だけど、これも学習プロセスの一部で、非常に重要なこと。エンジニアたちが新しいサーキットに来て、しっかり走らせるために取り組んだということはすごく良いことであり、このテクノロジーがますます成長していくステップを踏めたのではないかと思う」

 こうしてスーパーフォーミュラのシリーズとは別の形でSF23をドライブしているクビアト。以前から同カテゴリーには高い関心を持っていたようで、今回初めてスーパーフォーミュラのレースを現場で観ることができたことについては、感慨深い表情をみせていた。

「このレースはとてもレベルが高くてクールだということは以前から知っていたし、改めて生でレースを観ることができて本当によかった。正直、F1と比較できる部分もあるくらいの速さがあると思うし、それをみんながドライブしているのだから、本当にクールだと思った」とクビアト。

 実は昨年もシーズンオフのテストに参加するのではないかという噂がパドックで流れたが、気になる日本のカテゴリー参戦への興味について聞くと、かなり前向きに考えているようだ。

「僕は個人的にスーパーフォーミュラとスーパーGTをとても良いカテゴリーだと思っているし、日本のレース全般についてオープンに議論していきたいと思っている」とクビアト。

「現時点で、コラボレーションの可能性について話し合うことになっていくかもしれない。ここではコンペティティブなパフォーマンスを発揮できると思うので、それが良い方向につながれば良いなと思っている」と、何やら含みをもたせていた。


 さらにクビアトは「若いドライバーにとって、ここでたくさんの経験を持っている選手と争うのは良いことだと思う。誰にとっても、とても良いコラボレーションになるはずだ」と、若いドライバーにもスーパーフォーミュラ挑戦を勧める意思があることも明かしていた。

 今回、A2RLの一員として鈴鹿に来たクビアトは、期間中にさまざまな関係者とコミュニケーションをとっていた模様。実際にスーパーフォーミュラ第9戦のグリッドウォーク時も渡辺康治HRC社長と佐藤琢磨HRCエグゼクティブアドバイザーとともに写真を撮っている姿も見られた。

 なお、この日は山本尚貴がスーパーフォーミュラでのラストレースを迎えたが、彼が2019年のF1日本グランプリFP1に出走した時に、同じスクーデリア・トロロッソ(現VCARB)で戦っていたのがクビアトだ。

「土曜日に挨拶することができたけど、今回が彼にとっては最後のスーパーフォーミュラのレースだと聞いた。ここでは非常に有名だし、長いキャリアがあって活躍も素晴らしかった。だから、この決断がどれほど重いものだったかも理解できる。彼のキャリアと決断はリスペクトしたい」とクビアトは山本について語った。

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