ストック経験を積む兼モデルのトニー・ブライディンガーが、トヨタ陣営からNASCARトラック参戦へ

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2024年11月28日 17:40  AUTOSPORT web

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2025年NASCARクラフツマン・トラック・シリーズへのフル参戦が決まった25歳のトニー・ブライディンガー
 北米ストックの3大ナショナルシリーズを構成するNASCARクラフツマン・トラック・シリーズに向け、サンフランシスコ出身でモデル業もこなす25歳のトニー・ブライディンガーが2025年からのフル参戦を表明。トヨタ陣営のトリコン・ガレージに加入し、コーリー・ハイムやタナー・グレイとともに『トヨタ・タンドラTRDプロ』の5号車をドライブすることが決まった。

 若手成長株の女性ドライバーとして注目を浴び、2021年の『Drive for Diversity Awards』ではNASCAR公認イベントに出場した初のアラブ系アメリカ人女性として“Developmental Series Driver Award”を受賞しているブライディンガーは、長年のパートナーである大手外食チェーンのレイジング・ケインズや、エナジードリンクのセルシウス、そしてオイルブランドの老舗スノコらの支援のもと、2025年のナショナル・ストックでのフルタイムシートを獲得した。

 すでに過去2シーズンで4回のNASCARクラフツマン・トラック・シリーズ出場を果たしている彼女は、2023年カンザスでの初出場で15位を獲得し、同シリーズの女性ドライバーデビュー戦としては最高のパフォーマンスを披露していた。

「トリコン・ガレージからフルタイムでレースをするのは、私にとって夢の実現よ」と新契約締結の喜びを語ったブライディンガー。「ここに来るまでに15年の歳月が掛かったけれど、この瞬間をとても楽しみにしていた。それを最大限に活用する準備ができているわ」

 その言葉どおり、双子の姉とともにわずか9歳でレーシングカートを始めた彼女は、ここまでストックの登竜門であるARCAメナード・シリーズで65戦に出場し、今季所属したヴェンチュリーニ・モータースポーツでは11回のトップ10フィニッシュと、年間2度達成した6位という最高成績によりランキング4位を記録している。

 さらに2018年から2024年の間には、合計4回のトップ5フィニッシュと23回のトップ10フィニッシュを達成し、そのなかにはトレド・スピードウェイでのデビュー戦10位も含まれている。

「トヨタ、レイジング・ケインズ、セルシウス、そしてスノコのサポートがなかったら、この機会はなかったでしょう。キャリアの次のステップに進むために、これらのパートナーとチームに支えてもらえたことに心から感謝している」

 そのトヨタ陣営で北米でのモータースポーツ活動を支えてきたトヨタ・レーシング・ディベロップメントU.S.A.のデビッド・ウィルソンは、シャーロットで開催された『2024 NASCAR Awards』の式典にて、シリーズ創業家の名を冠した“ビル・フランス優秀賞”を受賞した。

■NASCARでもっとも名誉ある賞に「本当に言葉を失う」とウィルソン
 すでに今季初頭にも「12月16日付で退任する」ことを表明していたウィルソンだが、陣頭指揮を取る最終年度として挑んだカップシリーズではタイトル戦線の主役を演じながら、最後はフォード陣営に連覇される悔しい結末に終わり、式典に渋々出席したことを認めた。

 式の前日には、友人や同僚らが退任する彼のためにプライベートな祝賀会を開いたが、彼はそれが週末にやらなければならない「重労働」のすべてだと考えていたという。

「私はいつも謙虚な気持ちで臨んでおり(この受賞には)本当に驚いた」と、NASCAR会長のジム・フランスから賞を授与され、観客席に座っていた自分が受賞者だと知り思わず涙を流したウィルソン。

「親愛なる友人のジム・フランスにステージに呼ばれ、こうして自身の仕事が認められたことは私にとって衝撃的だった。私は自分が信じていること、心に思っていることを話した。こんな最高の日を迎えられた要因はシンプルで、私を支え、信頼し、奉仕する力を与えてくれた素晴らしいチームの反映に過ぎない。私はまだその喜びに浸っている」と続けたウィルソン。

 この賞はNASCARの世界でもっとも名誉ある賞のひとつで、毎年授与されるものではなく、このスポーツに大きな影響を与えた人々を称えるものとして制定され、長い歴史のなかでウィルソンが29人目の受賞者となる。

「それを声に出して聞くだけで、本当に言葉を失うよ」と続けたウィルソン。

「知らなかった。てっきり、最後の最後で去り行く者への“送辞”がある程度と思っていたよ。でも改めて恐縮するばかりで、とても感謝している。我々はみな競争心が強く、ライバルが賞賛されるのを見るのはツラいものだ(笑)。でも私は(TRD USA代表として)まだ時間に追われているし、代表としてチャンピオンを祝福しなければならない。それが我々の仕事の一部だからね」

「何年も前にカリフォルニア州センチュリーシティで我々をこのスポーツに迎え入れてくれたのはビル・フランスJr.で、私が個人的なつながりと友情と信頼を築いたのはジム・フランスだった。今日は彼に友情を伝えたよ。なぜなら、トラック上のすべてのことを超えて、彼はただの良き友人であり、我々の会社を信頼してくれているからだ。私は彼の助けになれたと思うし、我々のチームも彼のチームがより良くなるよう手助けすることができた。そして、それがまた重要なことなんだ」

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