モンテディオ山形は12月2日、同クラブのトップチームを率いる渡邉晋監督について、2025シーズンも引き続き監督として指揮を執ることが決まったと発表した。
続投が決まったことを受けて、渡邉監督はクラブを通してコメントを発表。クラブに関わるすべての人々へ感謝の言葉を伝えるととともに、現在の率直な心境を明かし、来季に向けた熱い想いを綴った。
「はじめに、モンテディオ山形に関わるすべての皆様へ、2024シーズンもたくさんのご支援、ご声援を頂戴しましたことに心から感謝を申し上げます。今は、J2優勝J1昇格という目標を達成することができなかったことへの悔しさ、不甲斐なさが渦巻いている心境ではありますが、このような成績にも関わらず、来季の続投を要請してくださったクラブにも感謝しております。その想いに応えることが私の使命であると考え、来季もモンテディオ山形で指揮を執るという決断に至りました」
「必ず成し遂げます。クラブを信じ、選手を信じ、共に闘っていただけたら幸いです。2025シーズンもどうぞよろしくお願いいたします。山形一丸。渡邉晋」
渡邉監督は1973年10月10日生まれの現在51歳。現役時代はコンサドーレ札幌(現:北海道コンサドーレ札幌)、ヴァンフォーレ甲府、ベガルタ仙台で活躍した。現役引退後は指導者に転身し、古巣の仙台で巡回コーチ、アカデミーコーチ、トップチームコーチを歴任。2014年4月には、当時のグラハム・アーノルド監督の退任を受けて、シーズン途中に自身初の監督へ就任した。
仙台では6シーズンにわたって指揮を執り、クラブのJ1定着に貢献しただけでなく、2018シーズンには天皇杯JFA第98回全日本サッカー選手権大会で仙台を決勝の舞台へ導いた。2021シーズンからはレノファ山口FCを率いたものの、シーズン途中の同年9月に指揮官を辞任。2022シーズンからは山形でコーチに就任すると、翌シーズン途中の2023年4月に当時のピーター・クラモフスキー監督から代わる形で、トップチームの監督を務めることとなった。
体制1年目の昨季は、前体制から引き継いだ直後の序盤戦こそ躓いたものの、2度の5連勝を達成するなど徐々に順位を上げ、最終的には5位でフィニッシュ。J1昇格プレーオフ行きの切符を掴み取ったが、準決勝では清水エスパルスとのアウェイゲームをスコアレスドローで終え、大会規定により敗退が決定した。
今シーズンは、前半戦こそ黒星が先行する苦しい時期もあったが、中断期間明けの8月から怒涛の勢いを見せる。2024明治安田J2リーグ第25節ファジアーノ岡山戦(△1−1)以降、シーズン終了までに破れたのは第29節横浜FC戦(●1−2)のみ。最後はクラブ記録となる9連勝を飾り、4位でシーズンを終え、2年連続のJ1昇格プレーオフ出場を決めた。
12月1日に行われたJ1昇格プレーオフ準決勝の岡山戦は、クラブ史上初となる本拠地『NDソフトスタジアム山形』での開催となったが、前半の31分と34分に立て続けに失点を喫しただけでなく、前半終了間際にFWディサロ燦シルヴァーノが負傷交代するアクシデントが発生。後半の立ち上がりにはDF川井歩が一発退場となり、窮地に立たされると、終盤の84分には決定的な3点目を浴び、0−3でタイムアップ。2015シーズン以来のJ1復帰は成し遂げられなかった。
【ハイライト動画】山形、今季のJ1昇格POでは岡山に完敗