俳優の齊藤工(43)が3日、都内で開かれた映画『大きな家』公開直前舞台あいさつに登場した。
【全身ショット】かっこいい!オールブラックコーデを着こなす齊藤工 同映画はこれまで社会で注目されづらかった児童養護施設にカメラを向け、そこで暮らす子どもたちの思いや葛藤、成長を記録。竹林亮監督(40)がメガフォンを取り、齊藤が企画・プロデュースを担った。
齊藤は国際協力機構(JICA)のドキュメンタリーの撮影でマダカスカルやパラグアイ、カンボジアで竹林監督のチームと過ごしたことを振り返りつつ、児童養護施設に焦点を当てた理由について「その数年後に僕が訪れた養護施設で出会った子どもたちと、その日だけじゃなくて点を線にしていくことが自分の一つの責務なんじゃないかなという、そういう眼差しに見えた」と回想した。
子どもたちの視線が「ちょっと寂しげな、“きょうしか来ない大人の1人”って思われたくなくて、そこで行ける時に行かせていただくという関係を築いている中、その時は映画にするとかってまったくなかったんですけど、(竹林監督の映画)『14歳の栞』に出合って、点と点がまさに線になった。こういう形であれば、劇場がシェルターになって、お客さんと劇場、作品、被写体を守っていくっていう上映スタイルが現代だからこそこう築けるんじゃないかなと思った」と話した。
映画で子どもたちの姿を映すことについて「児童養護施設の子どもたちのプライバシーを守るために、モザイクが入ったり、目線が入ったりっていうことも守る行為ではあると思うんですけど、それを見た当人たちの思いもさまざまだと思うんですよね」と吐露。
「個人差がたくさんあるんで、一概にも言えないんですけど、出たい子もいる、映りたい子もいるっていう現実を施設の職員の方からうかがって、この映画館という場所だけで守りながら、彼らの輝きを収めれたんじゃないかなと思っております」と、劇場でのみ公開予定としている同作品の姿勢について語った。
ここは、東京のとある児童養護施設。子どもたちは親と離れ、血のつながりのない他の子どもや職員と日々を過ごす。両親への思い、生活を身近で支える職員との関係性、学校の友だちとの距離感や、施設を出たあとの暮らし。家族とも他人とも言い切れないつながりの中で育つうちに、子どもたちの葛藤はさまざまに変化していく。何を思い、何に悩み、何を受け入れてどう大人になっていくのか。惑いながらも確かに成長していく子どもたちの姿と、それをやさしく包みこむあたたかな眼差し。映っているのは、決して特別な事件などではなく、些細だけれど大切な日常の景色。
6日から東京・渋谷のホワイトシネクイント、大阪のTOHOシネマズ梅田、名古屋のセンチュリーシネマにて先行公開され、20日より全国で順次公開される。出演者のプライバシー保護のため、配信・レンタルは予定しておらず、劇場でのみ公開予定。また、劇場に訪れる人には「SNS等を通じて、出演者個人に対するプライバシーの侵害やネガティブな意見、各家庭の詮索や勝手な推測、誹謗中傷を発言することはご遠慮ください。また、ご近所にお住まいの方は、施設名や地名の言及をお控えください」と注意喚起を促すメッセージを配布している。
イベントには竹林監督も登場した。