セルジオ・ペレスは、2024年シーズン終了後にレッドブル・レーシングから去ることになるとみられている。ペレスの不調により、レッドブルはF1コンストラクターズタイトル争いから脱落した。
5月のマイアミGPの後、ペレスは、上位争いに加わることができずにいる。アゼルバイジャンでは終盤まで表彰台を争う位置にいたが、カルロス・サインツ(フェラーリ)との間で接触が起き、ノーポイントに終わった。つまり、今年の大半で、マックス・フェルスタッペンひとりが、マクラーレン2台、フェラーリ2台、メルセデス2台と戦うことを余儀なくされてきたのだ。
カタールGPでペレスは、ピットレーンスタートとなったスプリントにおいて、ピット出口でフランコ・コラピント(ウイリアムズ)に抜かれてしまい、決勝では、セーフティカー先導中にスピンを喫した。
数カ月前から、レッドブル代表クリスチャン・ホーナーもモータースポーツコンサルタントのヘルムート・マルコも、ペレスの状態が2025年に向けて改善することはないと考えており、彼の後任について検討を始めた。
ペレス自身も、チームの信頼を失ったことを自覚し、自分のF1キャリアが終わりを迎えつつあることを受け入れつつあるように見える。しかし、今年、レッドブルとの間に2025年から2年間の契約更新を行った事実があるため、ペレスは簡単にレースシートを明け渡すつもりはなく、一説には、チームに対して違約金として1200万ドル(約18億円)を超える金額を要求しているともいわれる。
ペレスは、リザーブドライバーとしてレッドブルファミリーに残るという提案を拒否したとされる。現在、両者の交渉の焦点は違約金問題にあるようだ。
カタールGPの週末、ホーナー代表は、2024年シーズンは「チェコにとって厳しい年だった。ポイント表が示すとおりだ」と指摘した。
ホーナーは、最終戦アブダビGPでもペレスをサポートし続けると述べる一方で、その後、変化が起こる可能性を示唆した。
「アブダビのチェッカーフラッグまでは、彼を全力でサポートすることに集中する。毎週のように憶測が飛び交うことは、チェコにとって楽しい状況ではない」とホーナーは言う。
「彼は状況を見極めることができる年齢であり、その知恵も持ちあわせている。アブダビの後、我々がどうなるのかを見てみよう」
ホーナーは、ペレスが長年チームに大きな貢献をしてきたことを強調しつつも、来年もチームに残すことは難しいと示唆した。
「チェコは我々のチームに所属した4年間に、非常に大きな貢献をしてくれた。2021年のマックスのワールドチャンピオンシップ獲得、2022年と2023年のコンストラクターズ選手権獲得に、彼は貢献した。彼は我々のために5回の勝利を挙げた」
「今年は厳しい年になったが、それでもシンガポール、アゼルバイジャン、サウジアラビアなどで、素晴らしいパフォーマンスを発揮した。全員がチェコを非常に高く評価し、敬意を払っている。ただ、今は、彼にとってもチームにとっても、辛い状況だ」
2024年末でレッドブルを離れるかどうかの判断は、完全にペレスに委ねられているのかと尋ねられたホーナーは、明確な答えを避けつつ、「私は、チェコ自身が結論を出すのを待つつもりだ」と答えた。
「誰も彼にあれこれ強要しているわけではない。ただ、彼にとって心地よい状況でないことは確かだ」
ホーナーは、最終戦アブダビ終了まではペレスをサポートすると、改めて強調した。
「今年のレースがあと1戦残っている。我々はそのレースに全力を注ぐ。彼がシーズンの締めくくりとなるアブダビで良いレースができることを願っている」
「(最終戦後に)チェコに何が起こるかは、(今の段階では)すべて仮定の話だ。アブダビが終わってから、我々の状況を見てみよう」