シリーズ運営団体としてBTCCイギリス・ツーリングカー選手権を取り仕切るTOCAは、恒例となった参戦枠“TOCA BTCCライセンス”を取得したチームの2025年度版リストを公開。エントリーリストは24台に増える予定で、選手権から一時離脱したワン・モータースポーツの復帰や、エクセラーエイト・モータースポーツとの複数年にわたるコラボレーションを発表したリスタート・レーシングは、新たに『ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス』の2台を走らせる。
シリーズのエントリー承認期限後、改めて2025年のグリッドに並ぶ予定のチームは合計8チームとなることが明らかになり、前述の陣営に加えてアンリミテッド・モータースポーツは、すでにMINIチャレンジ王者のマックス・ホール昇格をアナウンスしており、これで2台体制を敷くこととなった。
そして2024年のメーカー、コンストラクターの王者である名門ウエスト・サリー・レーシングは、今季は3台体制だったレギュラーエントリーの『BMW330e Mスポーツ』を4台に戻す予定で、都合24台のマシンがグリッドを埋めることになる。
直近にも方針が示されたとおり、鳴り物入りで2022年に導入した共通ハイブリッド機構のプログラムを正式に終了し、新たに100%持続可能な燃料を導入するシーズンに向け、少なくとも6台のヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンスが参戦する公算となったが、今季までクプラ陣営の一角としてレオンBTCCを走らせてきたリスタート・レーシングは、スウィンドン・パワートレインと共同で開発し、成功を収めているヒョンデ製エンジンを搭載する。
「カスタマーへの車両提供に前向きであると公表したとき、ヒョンデで達成した成功を考えると、関心が寄せられるだろうと予想していました。2025年以降、カスタマーチームとしてリスタート・レーシングと協力する契約に合意できたことをうれしく思っています」と語ったのは、エクセラーエイトのチームオーナーであるジャスティナ・ウィリアムズ。
■“ヒョンデカスタマー”に「待ち切れない!」リスタート・レーシング
こうして新規カスタマープログラムの一部としてヒョンデ陣営のサテライトを構成することとなったリスタート・レーシングは、イギリス国内のTCRシリーズで2年間の成功を収めた後、今季よりBTCCに昇格。クリス・スマイリーとスコット・サンプトンを擁し、インディペンデント・トロフィーでは30レース中で2回のクラス優勝と18回の表彰台を獲得してシーズンを3位で終えていた。
「BTCCのNGTC規定車両を他のチームに提供するのは今回が初めてだが、MINIチャレンジでは顧客向けの車両を製作するのは私たちにとって当然のことだった。これは英国モータースポーツのトップチームとしての地位を強化しようとするエクセラーエイトの継続的な成長に向けた新たな一歩だ」と続けたウィリアムズ。
「リスタート・レーシングがヒョンデを武器として選んだという事実は、比較的短期間で私たちがどれだけ進歩したかを示している。今後のシーズンで、この新しいコラボレーションを成功させるために彼らと協力することを楽しみにしている」
現在のリスタート・レーシングでマネージングディレクターを務めるピート・ジョーンズは、こうしたウィリアムズの発言に対し「当然のことながら(プログラムは)私の関心を引いた」と明かした。
「私は数シーズンにわたりBTCCに関わってきたが、そのなかにはトム・イングラムの2022年タイトル獲得をサポートするエクセラーエイトとの非常に成功した時期も含まれている。そのため、彼らが他のチームに車両を供給することに前向きであると聞いたとき、当然のごとく興味を持った」とジョーンズ。
「BTCCでの最初のシーズンに乗り出した今季、クプラは我々の旅に大いに貢献してくれたが、来季はさらにグリッドでの地位を確立し、順位を上げたいという野心的なチームでもある。それはエクセラーエイト自身が行ったこととほぼ同じだ」
「ヒョンデは明らかに強力なパッケージであり、チームとして設定した目標に近づくことができると確信している。エクセラーエイトとのこの新しい関係を結ぶことができてうれしく思っているし、車両を受け取って2025年の準備を開始するのが待ち切れないね!」