【陸上】ロス五輪マラソン代表選考で新制度「ファストパス」　高岡SD「努力の指標になれば」

日本陸連は11日、都内で会見を開き、28年ロサンゼルス五輪のマラソン日本代表の選考方針を発表した。直近2大会の選考で用いた「マラソングランドチャンピオンシップ（MGC）」を踏襲し、新たに「MGCファストパス」を導入。高岡寿成シニアディレクター（SD）は「ロスではメダルを含む複数の入賞者を出したい」と願いを込めた。

男女各3人。21年東京大会から五輪前年の選考レースMGCの上位2人を即内定とし、残る1枠はその後のMGCファイナルチャレンジで決定していた。ロス五輪に向けてはファストパス制度を追加。25年3月10日以降の対象大会で、設定記録（男子が2時間3分59秒＝日本記録は2時間4分56秒、女子が2時間16分59秒＝同2時間18分59秒）を上回った最速選手が、五輪の参加標準記録を有効期間内に突破すれば、27年3月にも代表に早期内定する。

ファストパスで代表入りした選手が出れば、MGCでは優勝者だけが代表に決定。いない場合は従来通り上位2選手が代表となる。

内定者には27年世界選手権の出場権も付与。準備期間が増える利点もあり「ペースメーカーがいない世界大会を活用して、五輪に合わせてほしい」と望んだ。

日本は2大会連続で男女ともに入賞者を輩出したものの、メダル獲得者は04年アテネ大会女子金の野口みずきから遠ざかる。高岡SDは「ファストパスの記録に到達すればメダルが見える。努力の指標になれば」と期待した。【藤塚大輔】