12日前場の香港マーケットは、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前日比346.09ポイント(1.72%)高の20501.14ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が148.50ポイント(2.05%)高の7397.88ポイントと3日ぶりに反発した。売買代金は810億8340万香港ドルとなっている(11日前場は718億740万香港ドル)。
中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。翌年の経済政策方針を決定する「中央経済工作会議」は、きょう12日に閉幕するもようだ。会議の終了後には、国営メディアがその内容を報じるのが通例となる。それに先立ち9日に開催された中央政治局会議では、「より積極的な財政政策」と「適度に緩和的な金融政策」を来年実施する方針が確認された。会議の内容を見極めたいとするスタンスなどで朝方は上値の重い場面がみられたものの、指数は上げ幅を徐々に広げている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、消費関連の上げが目立つ。乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が7.6%高、政府系の華潤ビールHD(291/HK)が7.4%高、旅行サイト中国大手の携程集団(9961/HK)が5.4%高、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(6862/HK)が5.0%高で引けた。複数のエコノミストは、中国は来年、内需拡大に向けた政策を強める可能性があると指摘している。また、李強・首相は先ごろ、中国内需の拡大に向け、マクロ経済政策の強化などあらゆる手段を講じていくと表明した。
中国の保険・証券セクターも高い。新華人寿保険(1336/HK)が5.3%、中国人寿保険(2628/HK)が4.2%、中国太平洋保険集団(2601/HK)が3.6%、国聯証券(1456/HK)が13.7%、招商証券(6099/HK)が7.1%、中信証券(6030/HK)が4.6%ずつ上昇した。
自動車セクターもしっかり。東風汽車集団(489/HK)が6.8%高、長城汽車(2333/HK)が5.2%高、理想汽車(2015/HK)が3.1%高、華晨中国汽車HD(1114/HK)が2.6%高で前場取引を終えた。
半面、医薬セクターの一角は安い。中国医療集団(8225/HK)が12.5%、康希諾生物(6185/HK)が4.1%、百済神州(6160/HK)が1.2%、中国神威薬業集団(2877/HK)が1.1%ずつ下落した。
一方、本土マーケットは3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.64%高の3454.52ポイントで前場取引を終了した。金融株が相場けん引。不動産株、食品・酒造株、公益株、半導体株、素材株、空運株、軍事関連株なども買われた。半面、エネルギー株は安い。自動車株も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)