1年の世相を漢字で表すと、どのような1字になるのか。年末の恒例行事である財団法人日本漢字能力検定協会の「今年の漢字」が12月12日に発表され、今年は「金」が選ばれた。「金」が選ばれたのは通算5回目(2000年、2012年、2016年、2021年、2024年)。
11月1日から12月9日までの期間、2024年の世相を表す漢字一字とその理由を全国から募集した結果、今年は「金」が12,148票(5.47%)を集めて、5回目の第1位に。「金」が選ばれた理由としては、パリ五輪の日本人選手や大谷翔平選手などの活躍による“光”の「金(キン)」と、政治の裏金問題、闇バイトによる強盗事件など“影”の「金(かね)」が挙げられた。
2位以降では、元日に起きた能登半島地震、その後の豪雨に心配を寄せた「災(2位)」「震(4位)」、大谷翔平選手の活躍による「翔(3位)」「大(11位)」、衆議院議員選挙や東京都知事選挙が話題になったことから「選(6位)」、米不足や米国での大統領選挙による「米(10位)」が並んだ。ほか1位に関連した話題として、「闇(12位)」「高(13位)」「裏(14位)」「政(15位)」などもトップ 20に入った。
☆2024年「今年の漢字」トップ10
1位「金」(キン・コン/かね・かな・こがね)12,148 票(5.47%)
パリオリンピック・パラリンピックで日本人選手が活躍し、多くの「金」メダルを獲得。大谷選手の50-50達成と3回目のMVP獲得で値千「金」の活躍。政治の裏「金」問題や、20 年ぶりの新紙幣発行も話題に。
2位「災」(サイ/わざわい)9,772 票(4.40%)
元日に起きた能登半島地震や、翌日にも航空機衝突事故が発生するなど、「災」とともに始まった一年。能登半島ではその後も豪雨に見舞われるなど「災」害が続いた。
3位「翔」(ショウ/かける・とぶ)7,487 票(3.37%)
大谷「翔」平選手の大リーグにおける50-50達成や3回目のMVP獲得に多くの国民が勇気を与えられた。大谷選手の活躍に触れ、自らも飛「翔」したいとの願いを込めた人も。
4位「震」(シン/ふるう・ふるえる)7,427 票(3.35%)
能登半島地「震」、南海トラフ地「震」臨時情報の発表、日本とアメリカでの政局に激「震」が走る一方、大谷翔平選手やオリンピック・パラリンピックでの日本人選手の活躍に心が「震」えた。
5位「新」(シン/あたらしい・あらた・にい・さら)6,545 票(2.95%)
「新」紙幣が20年ぶりに発行され、大きな話題となった。スポーツでは大谷翔平選手の50-50「新」記録や、オリンピック「新」競技であるブレイキンでのメダル獲得。「新」総理大臣の就任のほか、「新」年すぐに起きた地震や航空機衝突事故は、年末になった今でも印象に残る出来事として挙げられた。
6位「選」(セン/えらぶ・える・よる・すぐる)6,071 票(2.74%)
衆議院議員「選」挙や東京都知事「選」挙、兵庫県知事「選」挙とともに、アメリカの大統領「選」挙など、国内外の「選」挙に注目が集まった年。「選」挙に絡め、自ら情報を得て考え「選」ぶ重要性を再認識した。また、「SHOGUN 将軍」のエミー賞「選」出や、「選」択的夫婦別姓の議論も多くなされた。
7位「変」(ヘン/かわる・かえる)6,027 票(2.72%)
新総理大臣就任や衆議院与党過半数割れなど政治の「変」化や、紙幣や郵便料金の「変」更、猛暑などの気候「変」動など、今年も多くの変化が見られた。
8位「暑」(ショ/あつい)5,674 票(2.56%)
過去最多の猛「暑」日連続日数を記録する観測地点が相次ぎ、地球温暖化や四季が無くなっていくことを憂う声も。
9位「楽」(ガク・ラク・ゴウ・ギョウ/たのしい・たのしむ・かなでる・このむ)4,562 票(2.06%)
大谷翔平選手やオリンピック・パラリンピックでの日本人選手の活躍が国民を「楽」しませ、笑顔をもたらした。来年も「楽」しい1年になるように願いを込めた人も。
10位「米」(ベイ・マイ・メ/こめ・よね・メートル)4,335 票(1.95%)
全国で「米」不足が発生し、その後も「米」の価格が高騰。また、「米」国での出来事として大統領選挙でのトランプ氏再選や大リーグでの大谷翔平選手の活躍も注目された。
☆過去の「今年の漢字」
1995年「震」(阪神・淡路大震災やオウム事件などに“震えた”年)
1996年「食」(O-157事件や税金と福祉を「食いもの」にした汚職事件の多発)
1997年「倒」(山一證券などの大型倒産、強豪倒してサッカーW杯初出場)
1998年「毒」(和歌山カレー毒物混入事件や環境ホルモンなど“毒”が問題に)
1999年「末」(世紀末、「世も末」な事件の多発)
2000年「金」(シドニー五輪の金メダル、朝鮮半島の“金・金”首脳会談など)
2001年「戦」(米国同時多発テロの発生、世界的な不況との“戦い”)
2002年「帰」(北朝鮮から拉致被害者が帰国、リバイバルブームなど)
2003年「虎」(阪神優勝や「虎の尾をふむ」ようなイラク派遣問題など)
2004年「災」(台風や新潟中越地震、記録的な猛暑、凄惨な殺害事件の発生)
2005年「愛」(紀宮様ご成婚、愛・地球博の開催、各界のアイちゃん活躍)
2006年「命」(悠仁様のご誕生、いじめ自殺や飲酒事故など命の重み痛感)
2007年「偽」(食品偽装や政界・スポーツ選手まで“偽”が発覚)
2008年「変」(世界経済大変動、日米政治変化、生活環境の変化、気候変動など)
2009年「新」(新内閣発足、イチロー新記録、裁判員などの新制度、新型インフル)
2010年「暑」(全国平均気温が観測史上最高、チリ鉱山事故で暑い地中から生還)
2011年「絆」(東日本大震災での人と人の絆、なでしこジャパンのチームの絆)
2012年「金」(『金』環日食、数々の『金』字塔、政治と『金(かね)』の問題)
2013年「輪」(東京五輪決定、自然災害支援の「輪」、友達の輪いいとも終了など)
2014年「税」(17年ぶり消費税増税、それに伴うさまざまな問題、話題)
2015年「安」(安倍政権・安保法案・安全への脅威など)
2016年「金」(政治と『金』、スポーツ界に新たな金字塔、マイナス金利初導入など)
2017年「北」(北朝鮮の脅威、九州北部の記録的豪雨、キタサンブラックの活躍など)
2018年「災」(各地の地震、西日本豪雨、大型台風到来、記録的猛暑など自然災害)
2019年「令」(新元号「令」和。法令改正、警報発令、避難命令など)
2020年「密」(新型コロナの影響を受けた年。3「密」など)
2021年「金」(東京五輪における日本人選手の活躍など)
2022年「戦」(ロシアのウクライナ侵攻など)
2023年「税」(一年を通して増税議論が活発、インボイス・ふるさと納税など)
元記事はこちら:https://www.narinari.com/Nd/20241292026.html