映画『ラストマイル』の監督を務めた塚原あゆ子氏が『第49回報知映画賞』で監督賞を受賞し、16日に都内で行われた表彰式に登壇。審査員のYOUが、作品への思いを語った。
【写真】特別賞を授賞した平泉成をサプライズ登壇で祝福した佐野晶哉 同作は、ドラマ『アンナチュラル』、『MIU404』と世界線を共にする“シェアード・ユニバース・ムービー”。『アンナチュラル』や『MIU404』の続編を待ち望んでいたファンを取り込みつつ、自由度の高いオリジナル脚本で、より多くの人がシェアできるような社会派エンターテインメントをつくり上げ、人気ドラマの続編映画以上の反響を呼んでいる。
審査員を務めたYOUは「本当に大好きな監督で、今回は今までのドラマも連動して事件が起こるってエンターテインメントを楽しく見させていただき、大好きだったんですが、この前のブラックフライデーでドキドキして。頼んでいいかという気持ちにもなりました」とユーモアを交えつつ、「強火でメッセージがガッと来るわけではなく、低温調理されて最後持ってかれているみたいな作品ばかりで。私はひとりの中毒者です」と作品への愛を熱弁。「人間的にも非常にすばらしい方だなと尊敬しております。これからもたくさん作品に触れさせてください」と伝えた。
塚原氏は「たくさんの方が映画館で見てくださったと聞いてうれしく思います」と感謝。「私が今一緒にいるスタッフは200人くらいです。次は何をやろうかとこの賞のことを伝えるときに次の(作品の)話をするのが楽しみですし、これからのモチベーションを沸かせてくださる賞をいただき、ありがとうございました」と一礼した。
同賞は、スポーツ新聞が単独開催する初の映画賞として、1976年に誕生した。2023年12月1日から2024年11月30日までに国内で1週間以上、一般公開、もしくは公開予定の新作。新人賞は原則として3年以内に本格デビューした俳優、監督となる。
主演男優賞は『正体』の演技が評価された横浜流星が昨年に続き受賞。主演女優賞は『ミッシング』の演技が評価された石原さとみが初受賞した。作品賞・邦画部門は横浜が主演した藤井道人監督の『正体』が受賞した。各賞の受賞者・受賞作品は以下のとおり。
■受賞一覧
作品賞・邦画部門:『正体』
作品賞・海外部門:『シビル・ウォー アメリカ最後の日』
アニメ作品賞 :『ルックバック』
主演男優賞:横浜流星(『正体』の演技に対して)
主演女優賞:石原さとみ(『ミッシング』の演技に対して)
助演男優賞: 奥田瑛二(『かくしごと』の演技に対して)
助演女優賞:吉岡里帆(『正体』の演技に対して)
監督賞: 塚原あゆ子(『ラストマイル』の演出に対して)
新人賞: 越山敬達(『ぼくのお日さま』の演技に対して)
新人賞:中西希亜良 (『ぼくのお日さま』の演技に対して)
特別賞:平泉成(『明日を綴る写真館』の演技と長年の映画界への貢献に対して)
特別賞:草笛光子(『九十歳。何がめでたい』の演技と長年の映画界への貢献に対して)
■選考委員
荒木久文(映画評論家)、木村直子(読売新聞文化部映画担当)、見城徹(幻冬舎代表取締役社長)、藤田晋(サイバーエージェント代表取締役)、松本志のぶ(フリーアナウンサー)、YOU(タレント)、LiLiCo(映画コメンテーター)、渡辺祥子(映画評論家)の各氏(敬称略、五十音順)と報知新聞映画担当。