11月、38歳の誕生日を迎え、アラフォーの仲間入りをした田中みな実。今年だけで『Destiny』(テレビ朝日系)、『ギークス/GEEKS』(フジテレビ系)、『ブラックペアン シーズン2』(TBS系)と、立て続けに3本の連ドラに出演。TBSを退社してちょうど10年、女優業がすっかり板についたようだ。
昭和世代の読者にとって、アナウンサーから女優になった成功例として真っ先に思い浮かぶのはやはり野際陽子さんだろう。大学時代にミス立教に選ばれ、卒業後の1958年にNHKに入局。アナウンサーとして勤務したのち、退職後は女優に転身した。1968年放送のドラマ『キイハンター』(TBS系)のヒロイン役が話題となり、2017年に亡くなるまで約50年にわたりトップ女優としてキャリアを重ねた。
こうして見ると、昭和から令和にかけて、女性アナから女優へと“華麗なる転身”を遂げたといえるのは野際さんと田中の2人のみ。まれに、フリーアナが“チョイ役”で映画やドラマに出演するケースは見受けられるが、どれも話題づくり程度にとどまっているようだ。そこで今回は「女優になったら成功しそうな女性アナ」をテーマに読者アンケートを実施してみた。結果は意外にも……?
女優で成功しそうな女性アナランキング
第5位は、2016年にフジテレビを退社した“カトパン”こと加藤綾子(39)。結婚をきっかけに2022年に活動休止。丸2年にわたり表舞台に姿を見せていないが、
「やっぱりきれいだし、華がある」(兵庫県・55歳・男性)
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と、今も人気は根強い。
「みなさんお忘れのようですが、カトパンはすでに女優デビューを果たしているんです。失礼ながら、演技はイマイチだったような……?(笑)」と語るのは、放送作家でコラムニストの山田美保子さん。
フリーに転身後、2018年にTBS系ドラマ『ブラックペアン』に出演したカトパン。治験コーディネーターを演じたが、今年放送されたシーズン2では同じ役を田中みな実が務め、話題となった。
「アナウンサーとしては超売れっ子のカトパンでしたが、ドラマでは存在感を発揮しきれず。そもそも田中さんと違い、女優業への情熱もあまりないように感じましたよね」(山田さん、以下同)
昨年末に出産して以来、復帰時期も未定のままだ。
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「生放送が多いアナウンサーに比べ、女優さんは待ち時間も多くて不規則。お子さんが小さいうちはスケジュール的にも厳しいでしょう。女優姿を再び見ることはなかなか難しいかもしれませんね」
父親が俳優、夫は歌手のフリーアナ
第4位は滝川クリステル(47)。東京五輪誘致プレゼンでの「お・も・て・な・し」パフォーマンス以来、なにかと同性に嫌われがちで、発言がたびたび炎上している印象もあるが、
「落ち着きがあってきれい」(沖縄県・56歳・女性)
「冷酷な女性を演じたらハマりそう」(東京都・52歳・男性)
など、50代を中心に票を集めた。
「夫である小泉進次郎さんの選挙期間中に“ワンオペ育児”だったと明かし、つい最近も炎上していましたよね(笑)。そういう浮世離れしたところは、まぁ昔ながらの女優さんっぽいといえなくもないかも?」
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いまや将来のファーストレディー候補。女優業にチャレンジするどころではなさそうだ。
第2位は同数で2人がランクイン。まずは2010年にフジテレビを退社して以来、フリーアナとして活動する高島彩(45)。「ゆず」の北川悠仁との結婚、出産を経て、現在は2児の母でもある。現時点でのレギュラー番組は2本。仕事と家庭をうまく両立している印象だ。
「普通に美人だし、女優としても成功するのではと思える」(福島県・50歳・男性)
「憂いがある感じがいい」(東京都・56歳・男性)
と、相変わらずオジサマ方からの支持率高め。
「実は高島さんのお父さまは、俳優の竜崎勝さん。『くいしん坊!万才』(フジテレビ系)の2代目レポーターも務めていらしたので、覚えている方も多いのでは。いわば高島さんは“俳優2世”。ランキングの中では最も女優に近い存在かもしれません」
竜崎さんは、1984年に44歳で他界。高島は当時5歳だったため「父親の記憶がほとんどない」とトーク番組で語っていたことも。
高島は2015年、ドラマ『下町ロケット』(TBS系)でフリーのジャーナリスト役として出演経験がある。
「高島さん自身は、とてもまじめで度胸もある方。オファーが来たときには一生懸命、誠実に向き合いそうだなと感じますね」
同じく2位は、2018年にNHKを退職し、現在はフリーで活動を続ける有働由美子(55)。
「シリアスな役もコメディーも、幅広く演じられそう」(東京都・41歳・女性)
「知名度も安定感もあるし、どんな役でもこなせそう」(大阪府・69歳・男性)
と、演技力に期待する声が多数。
「個人的には、有働さんの演技をいちばん見てみたい。ラジオのトークもおもしろいし、自分の内面を自然に演技に醸し出せそうですよね」
実は一度だけ、映画の出演経験もある。三谷幸喜監督作品『記憶にございません!』(2019年公開)で、“夜のニュースキャスター”近藤ボニータ役を演じた。
「キャスターが、ドラマや映画でそのままキャスター役を演じることはよくあること。そうではなく、有働さんには一般企業のキャリアウーマンなどの役を演じてみてほしい。50代独身女性のリアルな姿を、悲哀も含めて上手に表現してくれそうです」
抜群の好感度で局アナ唯一のランクイン
1位となったのは、日本テレビエグゼクティブアナウンサーの水卜麻美(37)。
「喜怒哀楽がはっきりしているので、演技にも生かせそう」(千葉県・55歳・女性)
「庶民的な役が似合いそう」(栃木県・47歳・女性)
と、親しみやすいキャラクターで多くの票を集めた。
「なんといっても、ご主人の中村倫也さんから直接指導してもらえるのだから断然、有利ですよね(笑)」
“好きなアナウンサーランキング”で殿堂入りするなど、老若男女問わず幅広い層から好感を得ている点も魅力のひとつ。
「超絶美人!なタイプではないところがまたいいんです。気さくなかわいらしさが演技の幅を広げそうですし、主人公のママ友役や、会社員役など見てみたいですね」
今回はランキング外だったが、最近なにかと話題のフリーアナ、笹崎里菜の動向も見逃せない。1月に結婚したばかりにもかかわらず、夫であるKAT―TUNの中丸雄一の不倫が発覚。崖っぷちの状態だ。
「新婚さんなのに本当に気の毒ですが、こういう状況をおもしろがって起用したがる監督さんは少なくない。今後、女優として声がかかる可能性は高いかもしれません」
仕事に関係するトラブルがきっかけでPTSDを発症し、8月にフジテレビを退社、フリーに転身した渡邊渚も注目度は高いよう。
「大手メディアで連載を始めるなど巻き返しの勢いがすごい(笑)。小顔でスタイルも抜群、女優よりモデルに向いているかもしれませんが、何にでも臆せず挑戦するバイタリティーはお持ちのような気がします」
もはや飽和状態のフリーアナ市場。ネクストみな実は現れる?
山田美保子 放送作家、コラムニスト。テレビ・ラジオのコメンテーターとして『サンデージャポン』(TBS系)などに不定期出演中