俳優の奥田瑛二(74)が『第49回報知映画賞』で助演男優賞を受賞し、16日に都内で行われた表彰式に登壇。娘役を演じた杏がサプライズで祝福に駆けつけた。
【写真】ハグで喜びを分かち合った杏と奥田瑛二 奥田は、映画『かくしごと』の演技が評価され、同賞を受賞。プレゼンターとしてサプライズで登場した杏と熱い抱擁を交わした。
写真撮影時には、奥田が恥ずかしがる場面もありつつ、杏は「奥田さん本当におめでとうございます」と祝福。「親子役をやらせていただいて、現場ではほとんどお話しできなかったんです。カメラが回ってない時もあの(劇中の)お姿でおられていて。映画が完成してから番宣だったりで改めて本当の奥田さんに会えた気がしました。現場で演じられた背中を見てすごくかっこいいなと思いました。この賞を受賞されたこと、本当に自分のことのようにうれしく思っています」と胸に手を当てながら伝えた。
奥田は「ほとんど聞いてなかった」と照れ隠しをしつつ、「びっくりした。よく来れたなあ、フランスからですよ。感無量で何も言えない」と興奮。「賞を彼女とW受賞をした気持ちになります。それが僕の正直な話です」と誇らしげだった。
そして「考えてみればあなたのお父さん(渡辺謙)とは長い付き合いで共演させていただいておりまして、その娘、彼女(杏)の父親役をやるときに、自分の家の安藤サクラと共演するよりも緊張するなって思ったんです」と告白。「『かくしごと』の本のすばらしさもありながら娘が杏ちゃんということで核を持って臨んだ作品でした」と振り返った。
続けて「30歳くらいの時にノミネートされたんです。それ以来、報知新聞に賞の縁は 安藤サクラとももこはもらってますが、僕はなかったです。自慢話じゃないのですが、報知映画賞以外全部持ってます。足りなかったのがこれなんです。良かった。こうやって娘が応援に駆けつけてくれたのは泣きそうになりました。こらえるのに精いっぱい」と思いがあふれ、「一番うれしいわ、娘に会えて。杏ちゃんの父親は渡辺謙だけではなく、俺でもあるんだよってことを言ったこともあるけど、本当にありがとう」と改めて感謝した。
同賞は、スポーツ新聞が単独開催する初の映画賞として、1976年に誕生した。2023年12月1日から2024年11月30日までに国内で1週間以上、一般公開、もしくは公開予定の新作。新人賞は原則として3年以内に本格デビューした俳優、監督となる。
主演男優賞は『正体』の演技が評価された横浜流星が昨年に続き受賞。主演女優賞は『ミッシング』の演技が評価された石原さとみが初受賞した。作品賞・邦画部門は横浜が主演した藤井道人監督の『正体』が受賞した。各賞の受賞者・受賞作品は以下のとおり。
■受賞一覧
作品賞・邦画部門:『正体』
作品賞・海外部門:『シビル・ウォー アメリカ最後の日』
アニメ作品賞 :『ルックバック』
主演男優賞:横浜流星(『正体』の演技に対して)
主演女優賞:石原さとみ(『ミッシング』の演技に対して)
助演男優賞: 奥田瑛二(『かくしごと』の演技に対して)
助演女優賞:吉岡里帆(『正体』の演技に対して)
監督賞: 塚原あゆ子(『ラストマイル』の演出に対して)
新人賞: 越山敬達(『ぼくのお日さま』の演技に対して)
新人賞:中西希亜良 (『ぼくのお日さま』の演技に対して)
特別賞:平泉成(『明日を綴る写真館』の演技と長年の映画界への貢献に対して)
特別賞:草笛光子(『九十歳。何がめでたい』の演技と長年の映画界への貢献に対して)
■選考委員
荒木久文(映画評論家)、木村直子(読売新聞文化部映画担当)、見城徹(幻冬舎代表取締役社長)、藤田晋(サイバーエージェント代表取締役)、松本志のぶ(フリーアナウンサー)、YOU(タレント)、LiLiCo(映画コメンテーター)、渡辺祥子(映画評論家)の各氏(敬称略、五十音順)と報知新聞映画担当。