歌舞伎俳優中村隼人(31)が16日、都内で「壽初春大歌舞伎」(1月2〜26日、東京・歌舞伎座)夜の部で上演する新作歌舞伎「大富豪同心」の取材会に出席した。
原作は幡大介さんの小説で、隼人はNHKBS時代劇の同名シリーズでも主演しており「役者人生にすごく影響を与えた作品ですので、妥協なく、全身全霊でいいものを作りたい」と話した。演出を手がける松本幸四郎は「隼人君ここにありというものを作りたい」とした。
大富豪の孫である卯之吉は同心として働くが、周囲がこぞって助けたくなるほどの頼りない人物。隼人は「ドラマでは刀を見ると気絶してしまうというようなところや、小判をばらまくシーンや、ダンスのシーンもございました。どういうふうに歌舞伎に落とし込んでいくのかが楽しみ。眼目は気絶です」と話した。
さらに、原作が31巻と長大なことに触れた隼人は「1回目の作品をしっかり作り、続編になったらうれしいという思いがあります」と期待を込めた。卯之吉とうり二つの、将軍の弟幸千代も演じ、2役早替わりも見どころとなる。幸四郎は「総踊りがありますし、(早替わりは)予定では11回」と明かした。
演出、振り付けを手がける尾上菊之丞も出席した。
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