【写真】初公開『風のマジム』場面カット
「沖縄のサトウキビからラム酒を作りたい」と思い立ち、社内のベンチャーコンクールを活用してビジネスを立ち上げた金城祐子氏をモデルに、原田マハが書き上げた『風のマジム』。この小説を映画化した本作は、平凡に生きてきた契約社員の主人公・伊波(いは)まじむが、思いつきで出した企画が勝ち残ったことで、周囲の人々を巻き込みつつも、家族に支えられて夢を実現する、主人公の成長と関わる人々の真心の物語となっている。
伊波まじむ役は、社会現象を起こしたNHK連続テレビ小説『虎に翼』で主人公の佐田寅子を熱演した伊藤沙莉。監督は、本作が映画初監督ながら、広告やショートフィルムで非凡な才能を発揮し続け、常に新たなチャレンジを試みる芳賀薫。
本日12月16日に、沖縄県糸満市にて撮影最終日を迎える本作。沖縄撮影も大詰めの中、原作者の原田マハと小説のモデルとなった金城祐子氏が現場を訪れ、主演を務める伊藤沙莉を激励した。
撮影の合間に、メインの撮影場所のひとつでもある豆腐店ロケーションを背景に囲み取材を受けた3人。主人公を演じる伊藤は、演じたまじむとはどんな人物か問われると「とてもまっすぐな女性。夢が見つかるまで、夢を自覚するまでのひとつひとつの過程で巻き起こる出会いや気づきを大切にできる魅力的な女性です!」と向かい風をうけながらも夢に向かって奔走するまじむの役柄を語った。
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撮影を見た2人は、「まじむの悩みや葛藤、走り回る姿が過去の金城さんを見ているようだった」と改めて伊藤の演技を絶賛。沖縄弁での演技は初だという伊藤は、「感情の乗せ方が難しかったが、音がやさしくて心地よい音でとっても好きな言葉です。方言での演技は難しく自分の中での戦いがありますが、方言指導の方と相談しながら柔らかくつくっていけました」と語った。
また、沖縄滞在中の思い出を問われた際は、今回の滞在中ステーキを4回食べたと告白。「沖縄の方は締めでステーキを食べると聞いたので」と笑顔を見せた。
原田は久しぶりに訪れた沖縄の印象を問われると、「執筆前の取材時、金城さんの案内で南大東島に行ったときのサトウキビ畑のざわわという音が印象的で忘れられないです。沖縄の地にくると風を感じると同時に、人々がその風を起こしているんだと思えます」と沖縄の印象を振り返った。
最後に本日クランクアップを迎える伊藤は、「本作は風を感じる映画、シーンを重ねるごとにこの作品のあたたかさを感じて、作品への愛情が日々増しています。そう思えることがまた嬉しいです。何かに挑戦しようとしている人たち、あたたかい気持ちになりたい人にぜひ見ていただきたいです」と締めくくった。
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