12月15日に東京都港区のHondaウエルカムプラザ青山で行われたファン感謝イベント『Honda Racing 2024 Season Finale(ホンダ・レーシング 2024シーズンフィナーレ)』にて、F1で活躍する角田裕毅がトークショーに登壇し、集まったファンにオフの過ごし方を明かした。
日曜日には7500人以上が集まったこのイベントで、事前抽選で選ばれたファンが観覧したトークショー『Yuki Unplugged 〜角田裕毅のプライベートに迫る〜』にて、オフの過ごし方や、2024年はグランプリ中に会話する姿がよく見られていたルイス・ハミルトンとのエピソードなど、レース以外の時間の使い方についてのトークを披露した。
■テニスでは性格が悪くなる?
まずは長くなってきたヨーロッパ生活について、「最近、本当にヨーロッパが好きになってきましたね。治安は良くないけど、自然があったりとか……、あとはやっぱり高速で120キロ以上出せるし、みんながちゃんと追い越し車線と走行車線を守るし、本当にストレスがないですね」と語る角田。
ヨーロッパスタイルにも馴染んできたなか、最近引っ越したというイタリア・ミラノについては、「バーが結構いい感じで、いろいろなワインを飲んだりしてます」と、早くもお気に入りスポットを見つけている様子だ。
そして、レース以外の限られたオフには「自分が熱中できること」に取り組むことで、リフレッシュしているそうだ。
「僕は自然が大好きなので外に行くようにしたり、アクティビティが多くなりました」
「レースの後は何かに夢中になりたくて、レースを考えるだけだといやなので、自分が少し熱中できるようなものを探したいなって。なので夏にはウェイクボードをやったり、あとはサッカーをやったりテニスをしたりします」
とくに、テニス経験者だというトレーナーとのアクティビティについては、「彼を打ち負かして悔しがる顔が見たくて。性格悪いですけど、めちゃめちゃむかついてる顔が大好きなんで、それを見てニヤニヤしながら、僕はそれを目標に頑張ってますね(笑)」と無邪気に語り、その様子にはファンもひと盛り上がり。
さらには、トップアスリートであるF1ドライバーならではの話を聞かれると、「正直自慢ではないですけど、“顔パス”とかも多くなりましたね。だから、ちょっと優遇してくれたりします。(小声で)払わなくてよかったり……とか」と、夢のあるエピソードを披露していた。
■ハミルトンに“見せつけたい”ヘルメット。渡辺社長からは意味深発言も
そして、2024年から人気グラフィックアーテイストのVERDYのデザインが施されたヘルメットについて、ひとつエピソードを語る。
「これは本当かどうかわからないのですが、話を聞いたところによると(デザインの予定が)僕か(ルイス・)ハミルトンか、だったらしいんです。そこで僕を選んでくれて本当に嬉しいし、ラッキーだなって思います」
「だから、ハミルトンの横を通過するときには、ちょっと見せつけるように自慢しながら通ってます(笑)」
そんなハミルトンとは2024年シーズンを戦うなかで、会話する機会も徐々に増えてきたようで、感じている印象や、とくに注目を集めているファッション面などについて言葉が続く。
「彼は気さくですし、本当に良い方で、なんか結構気も合うんですよね。スノーボードをしに日本にも来るみたいですし、共通の趣味があったりもして」
「(ドライバーズパレードの時は)私生活の状況だったり、くだらないことを話してます。ただ、僕的にはドライバーの中でやっぱりひとつオーラが抜けてるなというか、スター性が一番ある、世界のセレブリティだなって感じてます」
「(私服については)彼はエレガントで、本当にセレブのパーティーとかで見るような……、ジェントルマンな(スタイル)。ただ、あれは絶対に値段も高いし、買えないじゃないですか(笑)」
「だから、僕は普段から皆さんが着れるようなものを着たいですね。僕は日本人っぽいストリートかつカジュアルな感じで、なので彼とはちょっと路線が違ってますかね」
さらにこのトークショー内では、HRC(ホンダ・レーシング)の渡辺康治社長も登場し、JAF日本自動車連盟から角田へ贈られていた2024年シーズンの『ドライバー・オブ・ザ・イヤー』の盾が手渡された。
渡辺社長は、「成長したレース展開が増えたと思いますし、今年のモータースポーツの顔にふさわしい、良い活躍を見せてくれたと思います。(ワントーン上げて)来シーズンもさらに、ステップアップして頑張ってほしいと思っておりますので、皆さんも応援よろしくお願いします」と、話題となっているレッドブル移籍も匂わせながら激励の言葉を送った。
合同会見ではNGとされていたこの話題について、角田も「正直、僕も本当によくわかんないですが、どっちで乗っても頑張ります」として、トークショーの最後に触れた。
「レッドブルで乗れたら一番嬉しいですけど、(移籍の可能性は)“50パー50パー”だと思っています」
「ただ、皆さんが(昇格を)押してくれているこのシチュエーションがすごくありがたいですし、どのチームでもやることは同じなので」
「別にチームはレッドブルだけじゃないですし、もしかしたらビザ・キャッシュアップ(RB)も、もしかしたら開発で上回るかもしれないです。『レッドブルじゃなくちゃいけない』ってわけではないと思っていますし、本当にどうなるかわかんないですが、(2025年は)さらにポイントをいっぱい獲って活躍できたらなって思います」
頷きながら懸命に話を聞くファンへ向けて、落ち着いた雰囲気で今の心境を語った角田。ホンダ公式YouTubeチャンネルで行われたライブ放送でも、「服装がチームウェアじゃないのも意味深……」とのコメントが出るなど、多くの憶測が飛び交うなかでの凱旋となったが、最後にはたくさんの声援を受けながら笑顔で会場を後にした。