ダニエル・リカルドは、2026年にF1に参入する計画が認められたゼネラルモーターズ(GM)/キャデラックF1チームに加入するのではないかというファンからの期待を打ち消した。リカルドは、2024年シンガポールGPで自分のF1ドライバーとしてのキャリアは終わったこと、モータースポーツ全般から完全に身を引く可能性があることを明らかにした。
ファンとのSNSでのやり取りのなかで、キャデラックF1チームでF1に復帰する可能性があるかどうかを尋ねられたリカルドは、ひと言「いや、もう終わったんだ」と答え、F1で再び走ることを考えていないことを明確に示した。
レッドブルジュニア出身のリカルドは、2014年から2018年までレッドブル・レーシングで走り、高い評価を確立した後、ルノーに移籍、その後、2021年にマクラーレンに加入した。しかしマクラーレンで思うようなパフォーマンスを発揮できず、契約を早期解除する形で2022年末で離脱。2023年にはレッドブル傘下に戻り、シーズン途中から2024年にかけてアルファタウリ/RBでレースに出場し、レッドブルへの復帰を狙った。しかし一貫したパフォーマンスを示すことができず、第18戦シンガポールGP後に、チーム離脱が発表された。
「RBに加入したのは、2025年以降、マックス(・フェルスタッペン)のチームメイトとしてベストの存在になれるということを、自分自身とレッドブルに対して証明したかったからだ」と、シンガポールGP後にリカルドは語った。
「でもそれはうまくいかなかった。それが現実だ。スピードがまだあることは示した。たとえば、マイアミやモントリオールで速さを見せられたと思う。でも、自分が望むほど、そして必要としていたほどの一貫性を発揮できなかった」
「ただF1にいるためだけに残るつもりは全くない。僕はとても競争心が強い人間だから、勝つためにそこにいたいんだ。それが実現できるのは、トップ4チームのどこかで走る場合だけだ。でも、レッドブルや他のトップチームから声がかかるほどの力を示せなかったのは明らかだと思う」
「小さなチームにシートを探してそこで走り続け、状況が良くなることを期待するためだけにとどまりたいかといえば、そうは思わない。今年(2024年)は全力を尽くしたけれど、明らかに不十分だったので、それを受け入れて、次に進む時が来たのだと思う」
リカルドがキャデラックF1チームに加わり、再びF1で走るのではないかという説は、ソーシャルメディアといくつかの小規模なウェブサイトが盛り上げたうわさにすぎなかった。リカルドは今も非常に人気が高く、彼がアメリカ文化を愛していることから、多くのファンが、アメリカの新しいF1チームの一員になることを期待したのだった。
ゼネラルモーターズや、チーム代表に任命されたグレアム・ロードンは、2026年のデビュー時のドライバー候補について、ほとんどコメントしていない。ただ、ひとりはアメリカ人ドライバーになるのが確実とみられており、その筆頭候補はコルトン・ハータだ。アメリカ人ドライバーのチームメイトには、経験あるF1ドライバーが選ばれるものと予想されている。
そのポジションの候補のひとりとみられるのは、ロードンがマネジメントを担当している周冠宇だ。また、キック・ザウバーで周冠宇のチームメイトを務めたバルテリ・ボッタスも同じく候補リストの上位に位置しているとみられる。ボッタスはすでに、この新プロジェクトへの関心を明確に示している。2024年末でF1シートを失ったベテラン、ケビン・マグヌッセンは、スポーツカーでの新たなキャリアをスタートすることを決めており、F1には戻ってこないかもしれない。一方、ウイリアムズで2024年途中にF1デビューを果たしたフランコ・コラピントは、ベテランではないものの、大きなポテンシャルを示したことから、キャデラックが2026年に向けて検討する可能性がある。