闇バイトによる強盗事件が相次いでいることを受け、政府は17日、犯罪対策閣僚会議を開き、緊急対策をまとめた。募集者の氏名や業務内容などの記載がない募集情報を違法と明確化し、事業者に削除を求めることや、捜査員が架空の身分証を使って闇バイトに応募する「仮装身分捜査」の早期実施などを盛り込んだ。
警察庁によると、15日時点で、東京、千葉、神奈川、埼玉の4都県では8月末以降、闇バイトによる強盗事件が19件発生。北海道や山口県などでも関連が疑われる事件が起きている。逮捕された実行役の多くがX(旧ツイッター)などを通じ、闇バイトに応募していた。
闇バイトを募集する投稿は「ホワイト案件」「即日即金」などをうたい、投稿内容だけで即座に違法性を判断することが難しい。このため、緊急対策では、求人情報には、募集者の氏名や住所、業務内容などの表示が義務付けられていることを明確化し、ガイドラインを定めるとした。
Xなどの事業者に対しては、ガイドラインに沿って違法な投稿や広告を削除するよう求める。アカウント開設時の本人確認の厳格化も要請する。
指示役側は、秘匿性の高い海外の通信アプリ「シグナル」などを使って指示する傾向にある。同アプリの事業者などには、警察当局と迅速に情報共有ができるよう、日本法人窓口の設置を促すことも検討する。
仮装身分捜査については来年の実施を目指す。身分証偽造は本来、違法行為だが、警察庁は仮想身分捜査に伴う偽造を違法性が阻却される「正当業務」と解釈。法務省と協議を進めた上でガイドラインを定める。