堺雅人8年ぶり映画主演『平場の月』共演には井川遥 35年越しの初恋ラブストーリー描く

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2024年12月18日 07:10  クランクイン!

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映画『平場の月』に出演する(左から)堺雅人、井川遥 (C)2025映画「平場の月」製作委員会
 2025年秋公開予定の映画『平場の月』のキャストが解禁された。主人公・青砥健将を堺雅人、青砥が中学生時代に思いを寄せていた須藤葉子を井川遥が演じる。

【写真】堺雅人、前回の主演映画では高畑充希と夫婦を演じた

 第32回山本周五郎賞を受賞した朝倉かすみの同名小説を映画化する本作は、リアルで切ない35年越しの初恋ラブストーリー。

 35年ぶりに再会した中学時代の同級生同士。お互い独り身となり、さまざまな人生経験を積んだ2人が意気投合し、中学生以来、離れていた35年のときを埋め、心を通わせていく。ある日、アパートの部屋から月を眺めていた須藤は、その時何を考えていたか青砥に問われ、「夢みたいなことだよ。夢みたいなことをね。ちょっと」。50歳にして初めて、自然にひかれ合うようになった2人。やがて未来のことも話すようになるのだが…。

 主人公・青砥健将を演じる堺雅人は、映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』(2017年、山崎貴監督)以来8年ぶりの映画主演となる。妻と別れ、地元に戻り印刷会社に再就職し、慎ましく、平穏に生活する、そんなどこにでもいるような主人公・青砥。堺は、近年の強烈なキャラクターから一転、等身大の実年男性を演じる。

 その青砥が中学生時代に思いを寄せていた須藤葉子。夫と死別し、今はパートで生計を立てているが、中学の時に感じた大人びた線の太さを残しつつも、どこかはかなく、切なさを感じる女性を井川遥が演じる。

 堺は「僕が演じる青砥は井川さん演じる須藤あっての青砥だと思っています。撮影が始まり、役としての井川さんと出会って、須藤の横にずっといたいなという気持ちが強くなりました。また、土井監督は大学の演劇研究会の先輩にあたり、ずっとご一緒したかったので、今回念願叶ってとなります」とコメント。

 井川は「今回、私が演じる須藤は自分の弱さを見せまい、寄り掛かることをよしとしない覚悟を持って生きている人です。須藤の芯の強さ、意地らしさ、今ささやかな幸せを噛みしめている感じ、それら彼女の持っているものを大切に演じたいと思いました」と語る。

 監督を務めるのは、『花束みたいな恋をした』(2021年)で興行収入38億円の大ヒットを記録した土井裕泰。脚本は『ある男』(2022年)で日本アカデミー賞最優秀脚本賞、ヨコハマ映画祭脚本賞を受賞した向井康介。原作では断片的な回想として描かれていた中学時代の初恋の記憶を、映画ではさらに掘り下げながら、35年越しのラブストーリーを繊細につづる。

 堺と初タッグとなる土井監督は「堺さんは、原作や台本もボロボロになるまで読み込んで、情報をすべて取り込んでいるが、最後は削ぎ落して、そのまま立っている感じがします。現場で堺さんのお芝居を見て、青砥ってこういう人なんだと教えられるような、青砥をわかっていくことが多いです。青砥という人が堺さんの中にあると思いますが、こちらの要求にも柔軟に対応してくれ、堺さんと役を作っていくのが本当に楽しいです」と語り、また「井川さんとは、以前ドラマ『持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲』でご一緒した際に、この須藤のような“太いところがある人”と感じていました。須藤は一筋縄ではいかない難しい役です。須藤のシーンを撮影する度に井川さんとお互いに持ち寄って、見つけながらやっているような感じです」と撮影現場での堺、井川のたたずまい、姿勢を語った。

 原作発表時には、朝霞市、新座市、志木市など埼玉県内の実在の地名や店舗が多数登場し、話題となったが、映画でも、同市内を中心にロケーションを敢行。リアルな恋物語を色彩豊かに彩る。

 映画『平場の月』は、2025年秋全国公開。

※コメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■堺雅人

青砥役のオファーをいただき、原作を読みましたが、原作小説の世界が素晴らしく、豊かなので、ぐいぐいと引き込まれ、何度も何度も読み返しました。今回、原作に登場する場所で撮影し、いち原作ファンとしては聖地巡りのような、本当に夢のような日々が始まったなと感じています。

僕が演じる青砥は井川さん演じる須藤あっての青砥だと思っています。撮影が始まり、役としての井川さんと出会って、須藤の横にずっといたいなという気持ちが強くなりました。また、土井監督は大学の演劇研究会の先輩にあたり、ずっとご一緒したかったので、今回念願叶ってとなります。土井監督は物腰が柔らかく、丁寧に説明してくださり、役者が伸び伸びと動けるようにしてくださる印象です。これから撮影が続きますので、監督のおっしゃった通りに動きたいと思っています。

■井川遥

須藤は青砥と再会したことによって、そこから慎ましやかだけれども気持ちが少しずつ膨らんでいく。この2人を応援したくなりました。私自身、この年齢になったからこそわかる気持ちが原作の中に溢れていて、温かさや切なさも同時にあるこの本を愛おしく感じました。

今回、私が演じる須藤は自分の弱さを見せまい、寄り掛かることをよしとしない覚悟を持って生きている人です。須藤の芯の強さ、意地らしさ、今ささやかな幸せを噛みしめている感じ、それら彼女の持っているものを大切に演じたいと思いました。堺さんは懐が深く、温かくて包み込んでくれるような方です。年齢を重ねてまたご一緒できること楽しみにしていました。土井監督とは今回2作目になりますが、大変嬉しく思っています。その役の持っているもの、滲み出てくるものなど丁寧に教えてくださるので、監督についていきたいと思います。

■原作者・朝倉かすみ

「平場の月」はわたしにとって初めての映像化作品になります。

もちろん映像化というものへの関心はありました。それは著作が異なるメディアで展開されるのを観てみたい、という圧倒的なミーハー魂と、わたしがひとりで書いたものを、わたしではない人たちがチームを組んで表現したらどんなふうになるのだろう、という純然たる好奇心の混ざり合ったものでした。

ミーハー魂は、「ピッタリ!」のキャストやスタッフを妄想させ、好奇心は、わたしが紙やモニタなどの平面に文字で描いたシーンが立体となったときの驚きや喜びを想像させました。シーンといっても具体的なものではなく、わたしが書くときに大事にしている三つ(ディティールと、実感と、イノセンス)が感じられるかどうかがポイントでした。

そんな我儘すぎるあれこれが、どんどん「ほんとう」に‐それはもう思った以上に「ほんとう」に‐なっていく不思議を、今、味わっている最中です。

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