12月17日、ロードレース世界選手権のMotoGPクラスに参戦しているトラックハウスMotoGPチームは、石油会社『ガルフ』とパートナーシップを締結したと発表した。
トラックハウスMotoGPチームは、2024年のエントリー取り消しとなったクリプトデータRNF・MotoGPチームを引き継ぐ形で、2024年シーズンからMotoGPクラスに初参戦を果たした新鋭チームだ。
母体となるトラックハウス・レーシング・チームは、2021年にアメリカの全米自動車競走協会が主催するストックカーレースのNASCARカップシリーズでレースデビューを飾った。参戦経験は浅いものの、すでに優勝や表彰台を獲得するなど数々の成功を収めている。
石油会社ガルフ・オイル・インターナショナルは、1936年から長年に渡ってモータースポーツ活動を行っており、近年では2020年から2022年にはマクラーレンF1、2023年からはウィリアムズF1とのパートナーシップが記憶に新しい。今回発表されたトラックハウスMotoGPチームとのオフィシャルパートナー締結は、ガルフにとって、レースが開催される東南アジアやアルゼンチンなどを対象にマーケット拡大を狙う成長戦略でもあるとのことだ。
この契約により、2025年シーズンからアプリリアRS-GPと、ライダーのレーシングスーツにパウダーブルーとオレンジのロゴが掲げられることになる。ガルフとトラックハウス・レーシングのパートナーシップに関する詳細は、今後数週間のうちに発表される。
2024年のトラックハウス・レーシングは、ミゲール・オリベイラとラウル・フェルナンデスを引き続き起用。開幕前には、一度MotoGPを離れてF1に移ったダビデ・ブリビオがチーム代表に就任した。
参戦初年度はシーズンを通してコンスタントに入賞を重ねていた。しかし、オリベイラが第15戦インドネシアGPでの転倒で負傷し、第16戦日本GPから第19戦マレーシアGPまでの4戦を欠場。ロレンツォ・サバドーリが代役参戦したものの苦戦し、最終的に合計141ポイントを獲得し、チームランキング9位でデビューイヤーを終えた。
2024年8月には、のちにMoto2チャンピオンに輝くことになる小椋藍との契約締結を発表。2025年は継続起用のラウル・フェルナンデスとともに若手ライダー2名で参戦2年目に挑むこととなる。
今回のパートナーシップ締結にあたり、ガルフ・オイル・インターナショナルCEOのマイク・ジョーンズは、「モータースポーツにおいて長い歴史を誇るガルフは、この物語を続けていくためにトラックハウス・レーシングのような野心的でダイナミックなチームとパートナーシップを結べることとても楽しみにしている」とコメントを残した。
「我々は、ファンをすべての活動の中心に据え、このパートナーシップを通じてより身近なものにするというビジョンを共有している。共にMotoGPでインパクトを生み出し、この象徴的なモータースポーツストーリーの次の章がどのようになるか楽しみにしている」
トラックハウスMotoGPチームのオーナーであるジャスティン・マークスは、「トラックハウスMotoGPチームにとって、ガルフを主要なパートナーに迎え入れることは大変光栄であり、大きな瞬間だ。ガルフという象徴的なブランドは、モータースポーツの歴史における最も記憶に残る重要な活動に関わってきた」と述べている。
「(ガルフの)オレンジのディスクロゴがアプリリアRS-GP25を彩ることは、信じられないほどエキサイティングなことだ。世界のモーターサイクルレースとその何百万ものファンが、ガルフブランドを生き生きと感じてもらえることを楽しみにしている」