レッドブル・レーシングは、レースドライバーを4年にわたって務めたセルジオ・ペレスが2025年を前に離脱することを発表したが、その際に、後任ドライバーについては公表しなかった。チーム代表クリスチャン・ホーナーは、2024年に姉妹チームRBで走った角田裕毅とリアム・ローソンのどちらかを選ぶとコメントした。
12月18日、レッドブルは「セルジオ・ペレスとオラクル・レッドブル・レーシングは、2025年に向けて袂を分かつことについて合意に達した」と発表した。チームはペレスとの契約を、6月に2026年末まで延長したが、ペレスはシーズン中盤以降、不振に陥り、そこから立ち直ることができなかった。そのため、レッドブルはコンストラクターズタイトルを狙う機会を失い、マクラーレン、フェラーリに敗れ、3位に沈んだ。
こうしたことからレッドブルは、2025年を前にペレスとの契約を早期解除することを望んでいるといわれてきた。そのためには賠償等について協議する必要があったが、ペレスとの間で条件がまとまり、今回の発表に至ったものとみられる。
一方で、ペレスが抜けた後、マックス・フェルスタッペンのチームメイトに誰が指名されるのかについても、注目が集まっていたが、今回は発表されず、プレスリリースには「チームの2025年フルラインアップについては、追って発表する」とのみ記されていた。
ペレスが外れる場合、後任の最有力候補は、RBでダニエル・リカルドに代わってシーズン終盤6戦を走ったローソンであると考えられてきた。ペレス離脱の正式発表後にも、『Formula 1.com』や『Sky Sports』などが、ローソンがレッドブルのドライバーに採用され、RB(レーシングブルズ)の角田のチームメイトとしてジュニアドライバーのアイザック・ハジャルがF1にデビューするとの予想を改めて示した。
一方で、クリスチャン・ホーナー代表は、今回の発表の時点ではペレスの後任は確定していないと主張、ローソンと角田のどちらかから選ぶと語った。
「基本的には、裕毅とリアムのどちらかから選ぶことになるだろう。ふたりとも優れた実績を持っている」と『Sky Sports News』のインタビューにおいてホーナーは述べた。
「最近アブダビでのタイヤテストで、裕毅をテストし、エンジニアリングチームと協力して働く機会を与えた。リアムは、2024年も舞台裏で我々とともに多くのテストを行ってきたし、出場した6、7レースで、非常に良い走りを見せた」
「したがって、我々はすべての情報を持っている。それをすべて見て、検討し、エンジニアリングチームとも話をしている。今後数日以内に結論を出す予定だ」
ホーナーは、ライバルたちと戦うためには最強のラインアップを形成する必要があると述べた。
「2025年はおそらくF1にとってここ数年で最も熾烈なシーズンになる。我々にとって何より重要なのは、できるだけ近いパフォーマンスを発揮するドライバーをふたり確保することだ」
「(フェラーリはルイス・)ハミルトンと(シャルル・)ルクレールの布陣になる。マクラーレンの(ランド・)ノリスと(オスカー・)ピアストリの実力はすでに見てきたとおりだ。そして(メルセデスの)ジョージ・ラッセルと新人の(アンドレア・キミ・)アントネッリもいる」
「2025年は非常に厳しい戦いになるだろうから、それを念頭に置いて、決断を下す。レッドブル・レーシングで我々が形成できる最高のラインアップを考える」