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俳優石井一彰(40)が、明日20日初日のミュージカル「レ・ミゼラブル」に、17年ぶりに出演する。俳優デビューした作品で、今回は主人公ジャン・バルジャンを執拗(しつよう)に追い詰める警部ジャベールを初めて演じる。縁深い作品に出演する思いと、テレビ朝日系「科捜研の女」シリーズで培った経験が、1つの線としてつながったことを語った。【小林千穂】
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オーディションをへて、「レ・ミゼラブル」(以下レミゼ)出演が決まった。主人公の敵役、ジャベールを演じたい一心だった。
「喜びと責任感が一緒にきました。今の全力の自分を見てもらいたいという気持ちがすごくありました。それにレミゼは相当な熱量のある作品ですし、ファンの皆さんの熱量もすごい。やっぱり責任感の方が大きかったですね」
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東宝ミュージカルアカデミーを卒業し、23歳だった07年に「レ・ミゼラブル」でデビュー。革命を目指す学生たちの1人を演じた。その後しばらくは舞台を中心に活動し、31歳の時「科捜研の女」出演が決まる。同作では蒲原勇樹刑事を演じ、最新シリーズまで続いている。
「30代は映像の仕事をさせていただくことが多かったので、40歳になったら舞台にまた挑戦するイメージを持っていました。10年ごとに考えると目標を立てやすいなと思ったんです」
レミゼ挑戦のきっかけは「科捜研−」だった。
「仲がいい監督さんに舞台をやりたいという話をしていたら、『ジャベールはどう? 長く刑事を演じてると、つながるものがあるかも』と言われたんです。もちろん内藤(剛志)さんはもっと長くやってますけど、そう言われた時に意識しはじめました」
キャラクターは違うが、刑事という役柄の根底に通じるものがある。レミゼを見る気持ちにも変化が出てきた。
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「見る時の心情にもよりますが、ジャベールをずっと見てしまいます。法律がすべてだと信じてジャン・バルジャンに執着して追い詰めるけど、自分の生き方に疑問を持つ。葛藤と心の変化みたいなところがすごく魅力的だと思います」
ジャベールは今回、伊礼彼方、小野田龍之介とトリプルキャストで演じる。
「キャストそれぞれの面白さ、良さはもちろんあった方がいいと思います。ジャベールはこう、と自分の中では作らず、演出家の方といろいろ相談しつつ、でもやっぱり挑戦していきたいです」
10年のスパンで俳優人生を考えてきたという石井。今後の10年を聞いた。
「今回『レ・ミゼラブル』に誠実に向き合うことで、次に開けることもあると思う。この役ならこの人と必要とされる俳優、人間くさい部分を表現できる俳優になっていきたいです」
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■チームスポーツと舞台 近いものあるかも
子供のころからバスケットボール、ラグビー、ゴルフ、ホッケーとスポーツに親しんできた。一方で、両親と宝塚歌劇団など観劇する機会も多かったという。「チームスポーツで大会に向けて練習するのと、みんなで1つの舞台を作る喜びには、近いものがあったのかも」と言う。2月29日に40歳になり、体のケアにも気を使うようになった。「トレーナーさんに肩周りをほぐしてもらうだけで声の出方が違うんです。生活面、食事ももっと気にしたいです」。まじめに話していたかと思うと、誕生日は4年に1回ですねと言うと「まだ子役なんです!」と笑った。
◆石井一彰(いしい・かずあき)1984年(昭59)2月29日生まれ、東京都出身。学習院大経済学部経営学科卒業。07年、ミュージカル「レ・ミゼラブル」のフイイ役でデビュー。「ミス・サイゴン」「宝塚BOYS」「太平洋序曲」「ロミオ&ジュリエット」など多数の舞台出演。15年から「科捜研の女」に出演し、劇場版で映画初出演。39歳の時にファンクラブ発足。
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