2024年も多くの事件、事故、不祥事があった。それらには世間や当事者への謝罪がつきものだが、ネットを敵に回した“ヘタクソ謝罪”も多々あった。ツッコミどころ満載の今年の謝罪を振り返り!
【1月】羽田空港で日航機と海上保安庁機の衝突事故
海保機は機長1人を除く5人が死亡。記者会見での国土交通省・航空局長の様子にインターネット上が大荒れ。《局長がヘラヘラ・ニヤニヤで酷い》《この態度はあかん》。事故の概要について「現在調査中」を繰り返すばかりの対応にも怒りが集中。《事故が起きた、どういう形で衝突したかわかりませんって、わかんないのに会見する意味》《会見するならそれなりの準備してから出て来い》と正月早々、国民の多くを敵に回す会見となってしまった。
【2月】ドラマ『セクシー田中さん』原作改変めぐる一連の問題
ドラマ化で原作を大幅に改変された漫画家・芦原妃名子さんがSNSで思いを訴えたところ、脚本家や日本テレビへのSNS上での非難が殺到。
《攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい》との一文を残し、芦原さんは他界。
その後、日テレが出した責任逃れとも取れる“最終的に(原作者に)許諾をいただけた脚本だった”というコメントに対し、《「愛は地球を救う」と言いながら、愛など微塵もない》などネットは炎上。日テレ社長からの正式な謝罪は、ほとぼりが冷めたころの7月にされた。
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【3月】神戸大、非公認バドミントン同好会「旅館破壊」動画拡散
旅館の障子にあけた穴から顔を出して記念撮影。胴上げして頭突きで天井を突き破る。壁にキムチをぶちまけ、畳に吐く……。
非常識の限りを尽くした神戸大の非公認バドミントン同好会『BADBOYS』(現在、無期限活動停止)。同大は旅館に謝罪に赴き、すみやかに記者会見を開いたが、《火に油みたいな印象》と世間は一蹴。
《非公認サークルで記者会見の必要あるのか》《大学が謝ることじゃない》と会見自体が「いらない認定」をされた。
【4月】いなば食品、新入社員寮の「ボロ家」騒動
冷蔵庫、洗濯機、エアコンもなく、雨漏りするカビだらけの社員寮を見て、新入社員の9割が入社辞退。公式謝罪文に自ら「ボロ家」の表現を使い、副社長の死亡の詳細を書くなど、《非上場オーナー企業の悪いところを煮詰めた怪文書》《死人に責任丸投げしてるし全面的にキツい》と袋だたき状態に。
不潔な工場の現状も暴かれ、《すまんな、もうちゅーるは買えない》と猫飼いからもそっぽを向かれた。“世界の猫を喜ばす企業”……のはずが、人間も猫も失望させる結果に。
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【5月】「星野源が女子アナと不倫」事実無根の臆測投稿
「NHKアナウンサーと不倫していた有名歌手・俳優の事務所が10億円払って記事をもみ消した」というにおわせ投稿がXで拡散。星野の所属事務所は、記事を投稿した暴露系インフルエンサー・滝沢ガレソへの法的措置を明言、謝罪を要求した。
妻・新垣結衣も不倫を完全否定したものの、滝沢は《投稿した不倫ゴシップについて、えげつない量の批判を頂戴》と挑発的に投稿。4か月後にようやく「裏づける証拠がなかった」として「ツイ消し報告」。これには《謝り方が雑すぎ》とあきれる声が噴出した。
【6月】トヨタなど自動車業界で認証試験における不正発覚
「本来より厳しい試験をやった」「安全は担保されている」と、国交省の基準に問題があるかのような発言をしたトヨタ自動車・豊田章男会長。
《「身勝手な考えで不正をやりました」だろ。なに気取った言い方してるのか、反省してないな》と批判の声が上がる一方、《トヨタ潰し、日本の産業潰しか》《認証基準より厳しい基準でやってたから不正!のやつ?》など、国の基準がガラパゴスだと指摘する声も。
【7月】フジテレビ、日テレによる大谷新居報道
12億円の豪邸に住むことなく手放した大谷翔平選手。原因は日テレとフジテレビによる“新居報道”だ。《ごめんなさいで済むなら警察と裁判所は要らないので》《取材できないと困るから謝ってるだけだから》と大炎上。《絶対ここに住むの楽しみにしてたよな》と大谷選手の心情を慮る声も。
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《日テレとフジと折半するかして、新居のお金弁償するのがスジかと》といったネットの声を参考にしてか(?)、日テレはひそかに関係を修復したと報道された。
【8月】フワちゃん、やす子へ直接謝罪
《やす子オリンピック 生きてるだけで偉いので皆優勝でーす》というやす子の投稿に、《おまえは偉くないので、死んでくださーい》と引用リポストしたフワちゃん。《無礼や悪ノリで済むラインを超えてる》と猛批判を浴びた。
アンチコメントをまねた誤投稿だと説明し、直接謝罪を報告したが《嘘八百》《謝罪じゃなくてただの言い訳》とさらに炎上。やす子が《フワちゃんさんのことめちゃめちゃ許してます!》とフォローしたが、《被害者が気を使うのか》《健気だなあ》と、やす子株のみ上がる結果に。
【9月】袴田巌さんが再審無罪確定
「言葉にできないようなつらいお心持ちで日々を過ごされたことについて大変申し訳なく思っている」と、地検検事正が袴田さんの自宅で謝罪。だが《検事総長はこのまま詫びないつもりなのだろうか》《58年も苦しめたんだから検事総長が直接こいよ》と、地検トップで現在の担当者が謝罪に来たことに疑問が噴出。
《検事総長はまだ謝罪をしないのか。人の心はないのか》これに応え(?)畝本直美検事総長は控訴は断念したものの、「(無罪)判決は到底承服できない。控訴すべき」という談話を発表し、現在も炎上中だ。
【10月】ジャンポケ斉藤慎二の不同意性交に妻が謝罪文
《性的暴行と報道されておりますが一部事実と違う報道がされております》《私にも守るべき子供がいますのでお伝えさせていただきました》。“夫の性加害報道”への謝罪文にネットが反応。
《不倫された妻ではなくて、加害者の身内だって言う自覚がなさすぎる》《被害者感情を逆なでした瀬戸サオリ》。本来は同情されてもいいサレ妻でありながら、《まだ消さないの? 鉄の心臓》《子供守るのと、この件は関係なくない?》とインスタに批判コメントが殺到し、地獄絵図に。
【11月】国民民主党・玉木雄一郎 不倫は「おおむね事実」
不倫を潔く認め、男泣きした玉木に《不祥事で減税を潰すな!》《潔い》《政策が優先》という声が主に男性陣から上がる一方、《クソ馬鹿みたい。吐き気がするわ》《妻を免罪符に使うな》と女性陣から冷静な批判の声が。
過去にテレビ番組で“ハニートラップは実際にある”と発言したことについても《家族も不倫相手も守る気がないですね》《3年近い熱愛の相手をハニートラップ扱いしてるその鬼畜ぶりが嫌悪感抱くわ》と総スカン。
【12月】岸和田市長が不倫「人の道を外れる行為だった」
不倫を認め「極めて不適切だ。人の道を外れる行為だった」と反省、謝罪した、永野耕平・岸和田市長だったが、性加害については一貫して否定。女性側代理人の開いた会見では、「私は本心では和解などしたくはありませんでした。(中略)私はもう心身共にボロボロです」との当事者の悲痛な声が読み上げられた。
《これは不倫なんかじゃない。犯罪。即刻辞職》《複数人に相手を強姦させるのは「不倫」とは言わないですよね?》といった非難が殺到した。
<取材・文/ガンガーラ田津美>