BMW Mモータースポーツに加入したケルビン・ファン・デル・リンデ(左)。弟のシェルドンは今季DTMドイツ・ツーリングカー選手権とWECのハイパーカーにフル参戦した。 BMW Mモータースポーツは、来る2025年シーズンを前に、ケルビン・ファン・デル・リンデをファクトリードライバーのリストに加えたと発表した。
南アフリカ出身のファン・デル・リンデは、BMWのLMDhドライバーでもある弟のシェルドンに続いてミュンヘンを拠点とする自動車メーカーのワークスドライバーとなり、2025年に展開される新型BMW M4 GT3エボによる“大規模なレースプログラム”に参加する。
28歳のドライバーがBMWと契約したというアナウンスは、アウディの元ワークスドライバーである彼が4シーズン在籍したDTMチーム、アプト・スポーツラインを離れることが明らかにされた数日後に届いた。
「BMW Mモータースポーツでの新たなチャレンジをとても楽しみにしている」とファン・デル・リンデは語った。
「僕と僕の家族にとって、これは一周してもとに戻ったようなものだ。父はBMWのツーリングカーでレースをしていたし、弟のシェルドンが数年前にBMW Mモータースポーツに入社してからは、いつか一緒に走ることが僕の夢だった」
「その夢がいま実現しようとしている。来シーズンは広範囲にわたるレースプログラムに参加するので、BMW M4 GT3エボで多くの時間を過ごすことができる。そうすれば、すぐに新しいクルマに慣れることができるはずだ」
ファン・デル・リンデは、アウディのファクトリードライバー時代に数々の栄誉を獲得し、有名なニュルブルクリンク24時間レースでは2度の優勝を果たしている。今季2024年はWEC世界耐久選手権のLMGT3クラスでアコーディスASPチームの78号車レクサスRC F GT3をドライブしていたが、来季に向けては同チームを離れ、ベン・バーニコートと交代することとなっている。
ファン・デル・リンデはBMWに移籍することで、ヴァンサン・ボッセ率いるチームWRTに再合流する可能性がある。彼は2015年から2022年にかけて、このベルギーチームから複数回レースに参加し、2019年には鈴鹿10時間レースで優勝している。
また、以前ADAC GTマスターズやニュルブルクリンク24時間、スパ24時間で経験しているように、弟のシェルドンとふたたび同じクルマを共有することになるかもしれない。彼が参加するGTプログラムの詳細は後日発表される予定だ。
BMW Mモータースポーツディレクターのアンドレアス・ルースは、「ケルビン・ファン・デル・リンデをBMW Mモータースポーツ・ファミリーに迎え入れることを大変嬉しく思う」と述べ、彼を歓迎した。
「ケルビンは長年にわたり、世界のトップGTドライバーのひとりであることを証明し、数え切れないほどのレースで印象的なパフォーマンスを見せてきた」
「彼は私たちのハイクラスドライバーのラインナップに加わってくれた。新しいBMW M4 GT3エボでは、私たちは幅広いレースプログラムを継続し、シーズンの主要なGTハイライトで勝利とタイトルを争うことを目指している」
「ケルビン・ファン・デル・リンデは、私たちの野心的な目標を達成するうえで大きな支えになってくれることだろう」