「カーネーション」の渡辺あやが脚本を手掛け、森山未來や佐藤江梨子の共演で阪神・淡路大震災を体験したこどもたちの“今を描いた『その街のこども 劇場版』が震災30年の節目にあたる2025年1月に全国各地で再上映、登壇イベントも実施されることが決定した。
阪神・淡路大震災から15年目にあたる2010年1月17日、NHKで初放送された「その街のこども」は、実際に震災を体験している森山と佐藤の切なくリアルな演技に加え、心の傷を抱えたまま生きる若者たちを優しい眼差しで描いた渡辺氏の脚本が大きな話題を呼び、放送後には視聴者から感動と絶賛の声が多数寄せられた作品。
反響は拡がり続け、2011年には『その街のこども 劇場版』としてNHK制作ドラマとしては初の全国公開に。異例のロングランを果たした。
そして今回、震災30年の節目にあたる2025年1月、多くのファンからの要望に応え、全国各地の劇場で再上映が決定。
物語の舞台である神戸では、シネ・リーブル神戸にて1週間の上映中、日替わりで主演の森山、脚本の渡辺氏、音楽の大友良英、井上剛監督らを招いた上映後トークイベントが行われるほか、東京・シネマート新宿でも1月18日(土)に森山、佐藤、井上監督を迎えた上映後舞台挨拶が行われる予定。
再上映にあたり、キャストやスタッフからは思いを馳せるコメントも到着している。
森山未來
災害の当事者でありながら被災者とは自認しきれず、周縁のものであるという感覚を拭えない。
あれから30年を経て、日本にそのような感覚を持つ人はどれほどいるのでしょうか。
なんにせよ、この映画は火山大国で今を生きるわたしたちの、ひとつの中心の物語なのかもしれません。
佐藤江梨子
『その街のこども』は2009年から2010年に撮影していました。キャストだけでなく、スタッフの多くが関西出身なのもあり。
震災を間近で見て来たスタッフの方々の熱い思いも沢山入ってます。
井上剛(監督)
『その街のこども』って〈こども〉をタイトルに入れてて良かったなと思います。あの夜のこどもたちの未来を想うだけでなく、
あの夜の先に起きた、もっとたくさんのこどもたちがいる〈今〉を、僕らは知っているから。
渡辺あや(脚本)
15年前、辛い記憶を祈りにかえて、世界に蒔いてみました。
それがどうなったのかを見においで、と呼ばれているのだと信じて私も神戸にまいります。
『その街のこども 劇場版』阪神・淡路大震災30年特別再上映は1月17日(金)よりシネ・リーブル神戸、シネマート新宿ほかにて開催。
(シネマカフェ編集部)