数字で見る『M‐1グランプリ』 最高・最低得点は誰? 連続決勝出場は驚きの9回!

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2024年12月22日 10:10  クランクイン!

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『M-1グランプリ2024』決勝進出者発表記者会見の様子  クランクイン!
 漫才日本一を決める『M‐1グランプリ2024』(以下『M‐1』)が、いよいよ今夜放送される。記念すべき第20代王者が誕生する今大会は、 総エントリー数が1万330組と、大会史上初めて5桁の大台に達した。今回は、そんな昨年までの全19回大会の歴史の中から、印象的な記録に焦点を当てて紹介したい。

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■ 最高得点→681点

 『M‐1』は出場全組がネタを披露するファーストラウンドと、上位3組が優勝をかけてネタを披露するファイナルラウンドの2部構成だが、ファーストラウンドの最高得点は誰か? 審査員の人数が異なる大会があるため厳密には言い切れないが、平均すると審査員1人あたり97.29点という超高得点を記録した、2019年大会の覇者ミルクボーイの681点ということになるだろう。

 当時まだ無名だったミルクボーイ。「コーンフレーク」ネタを披露した『M‐1』ファーストラウンドは、なんと2人がこの年初めて漫才ネタを披露するテレビ番組だった。それまで長らく君臨していた2004年大会の覇者・アンタッチャブルが記録した673点(平均96.1点)を更新する高記録が大画面に映し出されると、会場が驚きと歓声に包まれる中、本人たちは信じられないという顔をして手を横にふるリアクションをしていたのが印象的だった。今大会、ミルクボーイの記録を更新するコンビは現れるだろか?

 なお、審査員個人での最高得点は、2009年大会の笑い飯の「鳥人」のネタに、島田紳助さん(2011年芸能界引退)が100点満点を付けている。

■ 最低得点→483点

 最高得点があれば最低得点もある。最高得点と同様に審査員の人数、審査方法も異なるため一概に言えないが、2001年第1回大会のチュートリアル(徳井義実・福田充徳)は10組中8位ながらも、現行の審査方法と照らし合わせてこのときの一般審査票を差し引いた審査員7人の点数でみると483点(平均69点)になり、“最低得点”と言えるのではないか。

 当時すでに関西ではブレイク中の若手だったチュートリアルだが、ダウンタウン・松本人志から審査員1人あたりでの史上最低となる50点を突きつけられてしまった。このときの挫折は相当だったようで徳井は「日本全国に面白くないやつとして認識された」「もうやめたほうがいいかもしれん」と思った、とのちに振り返っている。
  
 しかしその後、2005年大会で決勝の舞台に返り咲き“妄想漫才”でインパクトを残すと、翌年の2006年の決勝大会では、ファーストラウンドを1位通過、最終決戦で審査員7人全員の票を獲得する史上初の“完全優勝”を達成。第1回で彼らに最低点を付けた松本からは「ほぼ完璧かな、と思います」という絶賛を引き出した。

 なお、審査員1人による史上最低点の50点では、チュートリアルのほかに、2001年大会で紳助さんにつけられたおぎやはぎ、2002年第2回大会で立川談志さんにつけられたスピードワゴンと、3組が並んでいる。いずれにせよ、ネタのレベルが毎年のように上がっている現状から、今後更新されることはない記録の可能性が高い。

■ 決勝戦連続出場→9回

 いまや1万組以上がエントリーし、人気コンビでも準決勝に残るのさえ困難とされ、さらに決勝進出ならばそれだけでもブレイクが約束された『M‐1』だが、そんな決勝大会になんと9回連続で出場していたのが、西田幸治と哲夫からなる笑い飯だ。

 決勝に出場した回数では2位が和牛と麒麟の5回で、どちらも連続ではない。しかも、当時は出場資格が結成10年未満だったため、笑い飯は結成1年目以外は毎年決勝に残っていたことになる。いかにこれが浮世離れした記録かが分かるだろう。名だたる人気コンビらが1度決勝に残ることに心血を注ぐ中、笑い飯は毎年予選を通過し、いつしか2人は「M‐1の申し子」と謳われるように。

 「奈良県立歴史民俗博物館」(2003年大会)や「鳥人」(2009年大会)など数々の名作ネタを披露しながら優勝まであと一歩届かなかった2人は、9度目の挑戦となる2010年大会、スリムクラブとの激闘を制し、悲願の初優勝を成し遂げている。

惜しすぎる! 「連続準優勝記録3回」は今年解散したあのコンビ

■ 連続準優勝→3回

 笑い飯の決勝戦連続出場記録も今後おそらく更新されることがないいわゆる「アンタッチャブル・レコード」だが、もう1つ、おそらく今後更新されそうにないのが、連続準優勝記録だ。『M‐1』の歴史上で3年連続でファイナルにまで進んで涙を飲んだのが、水田信二と川西賢志郎からなるコンビ、和牛だ。

 2015年大会に決勝初進出を決めると、翌年2016年大会では銀シャリの前に惜しくも準優勝。続く2017年もファイナルまで勝ち進んだが、当時ラストイヤーだったとろサーモンの前に1票差で惜敗だった。さらに翌年2018年にもファイナルまで進んだが、この年も最年少チャンピオンとなった霜降り明星に王座を奪われた。

 もちろん優勝することに栄誉があるが、3年連続で準優勝するのは優勝に手が届きそうなクオリティの漫才を数年にわたって続けていた和牛の実力だからできること。周知のとおり、2人は今年3月に電撃解散し、多くのファンに衝撃を与えた。しかし彼らの「『M‐1』3年連続準優勝」という偉業は不滅の記録として輝き続ける。

■ 結成から優勝までの最長記録→15年5ヵ月

 『M‐1』と言えば出場資格が「結成15年以内」(かつては10年以内)に設定されており、「これが最後の挑戦」という緊張感が、これまでも数々のドラマを生んできた。

 そんな中で、結成から優勝まで15年5ヵ月という最長の月日を費やしたのは、村田秀亮・久保田かずのぶからなるとろサーモンだ。この年月は彼らが決勝進出に費やした年月でもある。若手時代から評価されていた2人は、さまざまなスタイル、システムのネタで『M‐1』に挑んでは、決勝の壁に跳ね返されること実に10回。決戦の舞台に上がれないまま積み重ねた「敗者復活戦10大会連続出場」も、彼らが保持する前人未到の記録だ。

 中でも2015年の敗者復活戦では、とろサーモンがトレンディエンジェルと決勝の残り1枠を争う展開に。このとき、すっかり中年になった2人が結果発表を待つ悲壮感に満ちた絵面は、千鳥・ノブが「もう下町ロケットじゃ」と、町工場が何度も失敗しながらロケット製造に挑戦する作品にたとえるほど。結局、2人の夢は打ち上がらず、敗者復活戦から勝ち上がったトレエンが勢いそのままに優勝したことも、2人にとっては悔しすぎる結果に。その2年後、初めてストレートで準決勝を勝ち上がると、和牛らを抑えてラストイヤー優勝を決めた。

 今大会には、双子のコンビ・ダイタク(決勝は初)と、奇想天外なネタが持ち味のトム・ブラウン(決勝は6年ぶり2回目)の2組がラストイヤー組に該当する。とろサーモンに続くラストイヤー優勝を飾ることができるだろうか?

■ 連覇→0回

 19回を数える『M‐1』の歴史の中で、今まで一度もなかったのが連覇だ。また、2回以上優勝したコンビもまだ存在していない。『M‐1』優勝で一夜にしてお笑い界のトッププレイヤーになり、多忙なスケジュールの中で優勝翌年に再び出場し、なおかつ決勝に残るのが困難というのも一因かもしれない。

 これまで2度目の優勝に近づいたのは3組おり、2003年優勝のフットボールアワーが2006年に準優勝、2008年優勝のNON STYLEが翌年2009年に挑み3位、2009年優勝のパンクブーブーが翌2010年にファイナルまで進んだがこちらも3位で終えている。

 周知の通り、今大会の決勝には、昨年の覇者・令和ロマンが、昨年大会エンディングでの宣言の通り、連覇を狙って勝ち進んでいる。今大会に優勝し、史上初の連覇、そして2度目の優勝を成し遂げることはできるのだろうか?

 『M‐1グランプリ2024』決勝戦は、12月22日18時30分よりABCテレビ・テレビ朝日系にて生放送。
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