限定公開( 1 )
「すきっ！〜超ver〜」「最上級にかわいいの！」などの楽曲をバズらせ、2024年1月にはグループ最大規模となる横浜アリーナのワンマンライブ2Daysも大成功を収めた超ときめき♡宣伝部。そんな同グループのリーダーを務める辻野かなみが、2024年12月25日に写真集『Kanami Tsujino』（SDP）を発売する。
辻野にとって初めてとなるソロ写真集。だからこそ彼女は「悔いが残らないようにしたい」と情熱をほとばしらせ、撮影に臨んだという。“辻野かなみだけが載っている一冊”に、辻野本人が込めた思いとは。
■今後は自分の“武器”を活かした仕事もしてみたい
――写真集発売を発表したインスタライブでは、写真集の撮影のため「ジムに通った」と話していましたね。
辻野かなみ（以下、辻野）：そうなんです！ 水着を着ることは決まっていたので、ヒップアップとお腹まわりを引き締めるために通いました。とき宣の衣装でお腹を出したりするので、日頃から太らないよう意識していますけど、写真集って一生残るものじゃないですか？ 自分にとっては宝物みたいな一冊になるし、多くの方の目に留まる機会になると思ったので、悔いが残らないようにしたかったんです。だから頑張って鍛えました！
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――華奢で細いのに健康的な体つきだったのは、そういう理由からなんですね。
辻野：でも、いままでこんなに露出したことはないので、ファンの方々にどう見てもらえるのか気になります。「脚キレイだな」とか、思ってもらえるかな？と、ちょっと緊張しているところですね。
――ともあれ、先行カットの評判はかなりよかったですよね。水着は特に。
辻野：はい、うれしかったです！ うれしかったけど、「ごめんね、これ以上は脱いでないよ！」と思っていました（笑）。
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――では、辻野さんが好きなカットは？
辻野：やっぱり水着のカットかな。ファッション誌っぽくおしゃれに仕上がったなと思っていて個人的にお気に入りです。
――水着の赤と背景の青が、鮮やかでキレイですよね。
辻野：そうなんですよね。改めて「水着を赤にしてよかった！」と思いました。あと、リップも赤にしたんですよ。普段、赤リップは全然つけないんですけど、今回は挑戦してみよう！ということで。おくれ毛がぴょんぴょん出ている髪の毛のラフ感もかわいいし、全部が相まっていい写真になりました。
――メイクも、辻野さんが「こうしてみたい」と提案したのでしょうか？
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辻野：しました。ベースはナチュラルなんだけど、シーンごとにリップの色を変えたりして印象を変えたいですって。だから、水着のときは濃い赤にしてかわいく。浴衣のときはちょっと大人っぽい色にしています。あと、最後のほうに載っているオフショルダーの服のときは、チークを濃くしてもらいました。全体的にラフ感や大人っぽさが強くなったので、最後は女の子らしさを取り入れたくて、かわいらしいヘアメイクにしてもらっています。
――ソロ写真集だからこそ見せられたなと感じるカットはありますか？
辻野：目をつぶっているカットとかかな？ グループ全員での撮影だと、顔がはっきりわかる写真じゃないともったいないんですけど、今回の写真集は全部私だから目線があっていない写真とか横顔とか、目を閉じているものとかも使ったり。ほとんど私が選んでいるんですけど、百枚以上収録できるソロ写真集だからこそ選べたカットは結構多かったと思います。
――個人的にはホテルのベッドからずり落ちているカットが好きでした。
辻野：ふふっ（笑）。これは、撮影の流れで「ベッドから落ちてみる？」という話になってやったんです。そうしたら意外にも私の顔が楽しそうで（笑）。子供っぽい素の私の表情が出ていてお気に入りです。
――ところで、情報解禁時のコメントには、「写真集を通して私自身を知ってほしい」といった趣旨の言葉もありました。だから自分の名前をタイトルに付けたと。
辻野：はい、そうですね。
――なので、自分の名前を広めたい分野や、今後挑戦してみたいお仕事も知りたいです。
辻野：もともとお洋服が大好きで、こんなふうに写真を撮っていただくことも好きなので、洋服に関われるお仕事をしていきたいなと思っています。あと、とき宣をはじめてからは「声が好き」と言っていただく機会が増えたんです。自分では気づかなかったけど、みんなが「いいよね」と言ってくれたからこそ気づけた大事な武器なので、これを活かしてナレーションのような声を使ったお仕事もしてみたいなと思っています。
■挫折しかけたことはいっぱいありました
――最近は、とき宣を中心に“王道かわいいアイドル”がはやっていますよね。辻野さんはこの現象をどう見ていますか？
辻野：たしかに、そうですよね。なんでだろう……？ 私が思うに、「プリキュア」に抱く感覚と近いのかなと思います。「プリキュア」って、小さい頃に強く憧れる対象ですけど、アイドルもキラキラした衣装を着て、可愛い曲を歌って踊る姿がみんなの想像する“ザ・アイドル”の像にバチッとはまるのかなと。だからみんなが好むのかなと思っていますね。
――そんなアイドルシーンのなかで、とき宣は絶好調です。
辻野：ここまで来られたのは、メンバーの信念の強さだと思っています。約10年とき宣として活動してきましたけど、誰かがどこかで挫折していたら今はなかったわけで。だからこそ私たちの間には絆があるし、「最上級にかわいいの！」でのバズにも繋がったのかなと。今回（「最上級にかわいいの！」のプロモーション）は、「バズりたい」という意欲のもと仕掛けていったんですけど、その過程で常に前向きに活動していたからこそ、今に繋がっているかなと思います。
――挫折はないとのことですが、挫折しかけたことは……？
辻野：いっぱいありました。メンバーがはじめて脱退したときは、ファンの人が半分以上減ってしまって、客席に1クラス分くらいの人数しかいないという時期があったんです。「私たち、このまま続けても大丈夫なのかな？」と不安になったし、テレビ番組に出ているアイドルさんを見て「羨ましい。私達はこんなふうになれるのかな」と思ったし、未来に不安を感じる瞬間はたくさんありましたね。
――グループが落ち込んでいるとき、リーダーの辻野さんはどんなふうに引っ張るのでしょうか？
辻野：引っ張るようなことはしないんですけど……みんなで話し合うようにはしていました。全員でご飯を食べに行って「これからどうする？」って。そういう時間を常に持って、全員で気持ちを共有できたから「みんな不安なんだ」「私一人が悩んでいるわけじゃないんだ」と一人ひとりが思えて、続けてこられたのもあるのかも。それに、「有名になりたい！」という気持ちは全員が持っていて。落ち込んでいる時期でも、みんなが前を向いていたのがよかったのかなと思います。おかげで、挫けることなくここまでやってこれています。
――リリースタイミングでとき宣のみなさんにインタビューするときにも思うのですが、辻野さんはアイドル活動をキラキラと楽しみながらも、ちゃんと冷静な部分を持っている印象です。
辻野：えっ、本当ですか？ なんでだろう。無意識です全然。
――でも、ここまでのお話を聞いた感じ、苦労した時期があるからなのかなと思いました。
辻野：あぁ……うん、そうかもしれないです。今、自分たちはどういう状況に置かれているんだろうと客観的に見てしまうところは、良くも悪くもありますね。あと、以前はかなりネガティブで、「自分、どう思われているんだろう」「今の自分、大丈夫かな」といちいち不安に駆られていたので、悪い意味で客観視するクセがついていました。ただ、今はめっちゃポジティブなんですけどね！ あるとき、何事もポジティブに変換していくと気持ちが明るくなるし、楽しく感じられるなと気付いて。それからはできるだけポジティブに変換して日々を楽しむようになりました。
――それが、理想のアイドル像でもあるのでしょうか？
辻野：そうですね。常に笑顔で楽しんでいる人を見ると、「いいな」「ああなりたいな」と思うものじゃないですか。そういう存在が、私の理想のアイドルです。
――とき宣は辻野さんにとってどんな場所になっていますか？
辻野：人生の一部です。学生の頃からみんなと一緒にいて、自分の居場所になっているので。今は、とき宣として活動している時間が楽しいし、ライブをしているときは「生きてる！」と感じます。自分にとって、必要不可欠な場所ですね。
――では、そんな“アイドル・辻野かなみ”が、一番誇れることを教えてください。
辻野：うーん……メンタルの強さですかね！
――一時期はネガティブだったけれど。
辻野：はい、強くなりました。私、歌やダンスが苦手なので、新曲の歌割りを見ると自分のパートが全然なかったりするんです。MVも、歌割りが少ないから全然映らなくて。最初の頃はそれが悲しくて、「なんで自分、ここにいるんだろう」「なんでメンバーに選ばれたんだろう」と考えてしまうこともありました。だけど、ファンの方々の応援やメンバーみんなの支えがあって、気づけば10年もアイドルを楽しめている。だから強メンタルになったんだなって。それに、一度自分が決めた道から逃げ出したくない。絶対に貫き通したい。自分に負けたくないという気持ちも強いですね。
――芯が強いんですね。格好いいです。
辻野：ふふっ（笑）。私、意外とまっすぐなんですよ。そういう性格になりました。
――そういうお話を聞くと、ソロ写真集を出せる喜びは本当に大きかっただろうなと感じます。これまでの活動や努力をちゃんと見てもらえていた気がして。
辻野：そうなんですよ。もう、めちゃめちゃうれしいです！ 私「いつか、写真集を出せるくらい有名になりたい」とずっと思っていたんです。だから「ソロ写真集を作れるよ」と聞いたときは「やっと夢がかなった！」と感激したし、「一冊全部、自分ひとりなんだ！」と、嬉しさが込み上げてきました。
――そりゃあジムにも通いますよね。
辻野：そうですよー！ 写真集は毎年出せるようなものではないし、次いつ出せるかもわからないし、もしかしたらこれが最初で最後かもしれない。だったら自分のやりたいことを全部出しきろうと思って、たくさん提案してたくさん取り入れていただきました。間違いなく、最高の一冊が作れたんじゃないかなと思っています。
（取材・文＝松本まゆげ）
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