連続テレビ小説『おむすび』(NHK総合ほか)は今週で年内の放送を終了し、物語の折り返し地点を迎える。現在放送中の第13週「幸せって何なん?」では、肩を壊して野球の道を閉ざされた翔也(佐野勇斗)が失意のどん底に。翔也から「(野球選手になれないなら)幸せになんてできねえ」と別れを切り出された結(橋本環奈)は、売り言葉に買い言葉でそれを受け入れたのだった。
立ち直り、別人として生きていくために「ギャルになりたい」と言い出した翔也に結は「ギャルなめんな」とブチギレる。姉の歩(仲里依紗)は、結の原点を思い出させるために結を糸島へと向かわせ、翔也には「どうせギャルの真似するなら、ここ(ハート)を真似しなよ」と発破をかけた。
OP映像終わりの、ある「仕掛け」
ところで、2024年最後の記事となる本稿では、オープニング映像のお話を。『おむすび』の物語を彩る、B’zによる主題歌と結のダンスの背景に流れるアニメーションの終わりに、ある「仕掛け」があることに気づいた視聴者は少なからずおられるのではないだろうか。
「イルミネーション」のアウトロ(終奏)にあわせて、物語に関連するキーアイテムが回転しながら登場している。これまで登場したのは、デコったガラケー、歩の髪飾りのひまわり、カラオケマイク、永吉の手品のシルクハット、理髪店のサインポール、神戸タワー、結が「立ち直るスピードは人それぞれ」の例え話をしたアスパラ、栄養専門学校・星河電気の社食とリンクするミトン、スマホ、太陽の塔など。この「回転アイテム」の秘密について、制作統括の宇佐川隆史さんに聞いた。
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各アイテムをイラストレーター・サンレモさんと映像ディレクターの田向潤さんに発注するためには、早めの台本決めが必要になってくるはずだ。これについて宇佐川さんは、
「やはり結構大変でした。私たちとしては、『結の人生を最初から決めた上で、逆算して物語を作る』ということをしていません。なるべく早め早めに題材を決めて、サンレモさんと田向さんにはお渡ししました」
と、イラスト発注の裏話を明かした。
太陽の塔が暗示するものとは…
しかし直近に出てきた「スマホ」と「太陽の塔」が、物語のどこにリンクするのかは今のところわかっていない。これについて宇佐川さんにたずねると、
「その週の内容にぴったり合致するイラストであることもあれば、その時代を象徴するアイテムだったり、あるいは少し先の『予告』の役割を果たしていることもあります。2024年最後のアイテムとなった太陽の塔は、皆さんご記憶でしょうか、かつて永吉(松平健)の“ホラ話”の中に『万博』というキーワードが出てきました。これが今週の第63回、64回に久しぶりに登場した永吉の象徴なのか、あるいはこの先にまたリンクする展開があるのか、楽しみにしていただければと思います」
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と含みを持たせた。明日12月27日(金)の第65回で年内最後の放送となる『おむすび』。結はふたたび翔也と向き合って「幸せって何なん?」の答えを見つけることができるのだろうか。
(まいどなニュース特約・佐野 華英)