1966年に静岡県で一家4人が殺害された事件で袴田巌さん(88)の再審無罪を受け行われた最高検の検証結果について、袴田さんの弁護団は26日、静岡市内で記者会見し、「非常に問題のある調査だ」と厳しく批判した。静岡県警が公表した当時の捜査などに関する調査結果を含め、改めて第三者による検証がされるべきだと訴えた。
弁護団の小川秀世事務局長は、最高検の検証結果では、捜査機関による証拠捏造(ねつぞう)が否定されていると指摘。「裁判所で認定されているにもかかわらず、検察が否定することはおかしい」と憤った。また検証が「裁判所で指摘されたところだけに限定された」とし、被害者の遺体の状況など、ほかにも捜査に関する不審点を挙げ、「(全体的に広く)検証すべきだ」と求めた。
静岡県警の調査結果については「弁護団からみても調査は不十分」と酷評。証拠捏造の有無は明確にされなかったが、捏造を前提に「原因と方法を究明すべきだ」と強調した。