公立学校教員に対し、残業代の代わりに基本給の4%を上乗せ支給している「教職調整額」を5%に引き上げる。また、小学校5、6年生で実施している教科担任制を4年生に拡大するなど、業務負担の軽減に向けて教員を5827人増員。処遇改善と働き方改革を一体で進め、人材確保につなげる。
国が教職員給与の一部を負担する義務教育費国庫負担金は、前年度比583億円増の1兆6210億円を計上した。
教職調整額は「教員給与特別措置法」(給特法)で定められており、来年の通常国会に改正案を提出する。増額は2026年1月からとなる見通しで、1972年の同法施行以来、約50年ぶりの引き上げとなる。政府は30年度までに段階的に10%へ増やす方針。
処遇改善として、業務負担の大きい学級担任を対象に特別手当を月3000円増やす費用も盛り込んだ。文部科学省が要求した校長や教頭に対する管理職手当の増額は見送られた。
教職員定数は、児童生徒数の減少に伴う自然減が8803人で、増員分と差し引き2976人の減少となる。増加が続く不登校やいじめへの対応を強化するため、中学校への生徒指導担当の配置も拡充する。
また、小学校6年生で学級人数の上限を40人から35人に引き下げるための定数を確保。これにより、段階的に導入を進めてきた小学校の「35人学級」が全学年で実現する。