秋ドラマから『ドクターX』に続く「テレ朝のドル箱」が生まれた理由。35歳新婚俳優の現在地に関係アリか

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2024年12月27日 16:10  女子SPA!

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(画像:岡田将生 Instagramより)
 11月19日に高畑充希さんとの結婚を発表した岡田将生さん。

 そんな彼が主人公を演じ、中井貴一さんがバディ役を演じる看護師にフィーチャーした医療ドラマ『ザ・トラベルナース』が、テレビ朝日の新たなドル箱シリーズとして今後も続いていきそうな予感がびんびんになってきています。

◆今秋のゴールデン・プライム帯ドラマで視聴率1位

 今秋クール放送したのが第2シリーズで、第1シリーズは2022年の放送でした。第1シリーズは米倉涼子さん主演の『ドクターX 〜外科医・大門未知子〜』シリーズ(テレ朝系)の脚本家・中園ミホ氏のオリジナル作品として注目を集め、全話平均の世帯視聴率が12%超え(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と大ヒット。

 第2シリーズも全話平均の世帯視聴率は11.2%(同)で、10月期のゴールデン・プライム帯のドラマの中で平均視聴率1位となり、見逃し配信の視聴習慣も定着してきたこのご時世において、リアルタイム視聴してくれるファンが多いドラマとして話題を集めたと言えるでしょう。

◆フリーランスの男性看護師コンビが痛快すぎ

『ザ・トラベルナース』の主人公は、医師の指示を受けずに一定レベルの診断や治療ができる看護資格「NP(ナース・プラクティショナー)」を所有し、アメリカを転々としながら医療活動に従事していたトラベルナース・那須田歩(岡田将生さん)。医療のエキスパートではあるものの、プライドが高く言動はストレートという高慢キャラです。

 バディは、「病気を診るのが医者、人を見るのがナース。患者様が元気になってくれさえすればいい」という信条を持ち、あちこちの救急病院で働いてきたミステリアスなスーパーナース・九鬼静(中井貴一さん)。

 医療に関して圧倒的なスキルを持っており、第1シリーズでは精神的に未熟だった歩に、「プライドだけが無駄に高い、ただのバカナースです」などと、きちんと叱責してくれる頼もしい存在です。

◆テレ朝のドル箱『科捜研の女』『相棒』『ドクターX』の現状

 そんな『ザ・トラベルナース』ですが、『科捜研の女』、『相棒』、『ドクターX』のように、テレビ朝日のドル箱シリーズになりうるコンテンツとして、局内外から期待が高まっているのです。

 沢口靖子さん主演の『科捜研の女』は視聴率低下が叫ばれており、近年はたびたびシリーズ打ち切りの報道が出るなど、好調とは言い難い状態。

 水谷豊さんが歴代バディと主演する『相棒』は、今なお人気も視聴率も好調を維持しています。しかし、水谷さんの実年齢が72歳と高齢になっており、現役刑事役を演じるのがやや不自然になってきているため、そう遠くないうちにグランドフィナーレを迎えるのではという見方が強まっているのです。

 そして米倉涼子さん主演の『ドクターX』は12月6日から劇場版が公開中ですが、こちらは『劇場版ドクターX FINAL』と銘打たれており、公式から「完結」という発表もされているため、12年のシリーズに幕を下ろすことが決定しています。

 つまり、これまでテレ朝のドラマを支えて来たご長寿シリーズ3作品の“終わり”が近づいており、テレ朝としては新たなドラマの“柱”を是が非でも作っておきたいところなのです。

◆長期シリーズ化でも“金属疲労”しにくいワケ

 そんななか、一昨年誕生したのが『ドクターX』の脚本家・中園ミホ氏が手掛ける『ザ・トラベルナース』でした。

 主人公とバディはひとつの病院にとどまらず、問題を抱えた病院を転々としていくフリーランスの看護師のため、前作が始まったときからシリーズ化しやすそうな設定だと感じていました。

 主人公とバディ以外のレギュラーキャラたちが人気を博していれば、同じ病院を舞台に続編を作ることもできますし、それだとマンネリしてしまう懸念があるということなら、続編の舞台を違う病院にしてサブキャラを総入れ替えすることも容易だからです。実際、今秋の第2シリーズは、第1シリーズとは違う病院に主人公とバディが勤めていました。

 主人公の設定が長期シリーズ化しても“金属疲労”を起こしにくいようになっているのは、企画立ち上げ当初からシリーズ化を想定していたからでしょう。

 その証拠に、第2シリーズの放送が発表された際の公式サイト掲載のインタビューで、岡田将生さんは続編が決まったときの心境を尋ねられた際、「前作を撮っている最中からチーム一丸となって、続編を目指せるように頑張っていたのですが、まさか2年で帰ってこられると思っていなかったので、本当にうれしかったです」とコメントしているのです。

◆岡田将生自身がシリーズ化を熱望していた…!?

 2022年当時すでに、『ドクターX』が遠くないうちにシリーズ完結するだろうという噂が持ち上がっていましたので、テレ朝としては人気脚本家である中園ミホ氏が携わる、新たなドル箱シリーズを生み出したいという算段があったように感じます。

 一方主演の岡田さんは、先ほど紹介したインタビューの発言を踏まえると、彼自身もシリーズ化を望んでいたことがわかります。

 現在35歳で“若手イケメン俳優”から“演技派中堅俳優”と言えるポジションになりましたが、これからもずっと役者を生業(なりわい)にしていくにあたって、40代になっても演じられて、堂々と代表作と言えるシリーズものを作っておきたかったのかもしれません。

 高畑さんとの結婚もありましたので、安定して長年演じ続けられる役者としての“柱”を欲していたタイミングだったのではないでしょうか。

◆第3シリーズもほぼ確定か

 とはいえ、本当に続編が実現したのは、第1シリーズが大好評だったことが大きいのは言わずもがな。いくらテレ朝や主演俳優が続編制作に乗り気だったとしても、前作がヒットしていなければ、シリーズ化はしなかったでしょう。

 そう考えると、第2シリーズまで絶好調を維持したので、現時点ですでに第3シリーズ制作も大いに期待できるはず。テレ朝にとって『ザ・トラベルナース』が新たなドル箱になる可能性は非常に高いのです。

<文/堺屋大地>

【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は『現代ビジネス』、『smartFLASH』、『文春オンライン』、『集英社オンライン』などにコラムを寄稿。LINE公式サービスにて、カウンセラーとして年間で約1500件の相談を受けている。Twitter(@SakaiyaDaichi)。

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