《大好きな妹は子供の頃からいつも私の後を付いてきます。今も何かある毎に来てくれます。優しくて可愛くてしっかりした女優さんで、忍が妹で本当に良かった》
生前、SNSに妹の中山忍について、そう投稿していた中山美穂さん。2024年12月6日に急逝した彼女を惜しむ声が絶えない。
「中山さんのオフィシャルサイトで、2025年3月末でファンクラブを閉鎖することが発表されました」(スポーツ紙記者)
中山さんのインスタグラムにある最後の投稿には、1万件を超えるコメントが寄せられている。
《1番、美穂ちゃんが驚いてますよね? 心にぽっかり穴が開いた感じです》
《あなたが亡くなった事を知ってから、本当に悲しい毎日を過ごしていました》
《いまだに信じられない。嘘であってほしい。受け入れられない》
《ミポリンのいない世界はつまらない。私の生きる指針だったのに。どうすればいいの?》
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多くのファンが、今もその死を受け止められないでいる。
思い出の多い行きつけの焼き肉店
「もう、美穂さんがこの店に来ることがないんだと思うと、信じられないですよね」
そう話すのは、東京・笹塚にある焼き肉店『にくる』の店長・伊藤信太郎さん。同店は生前、中山さんが足しげく通った行きつけだった。
「店はオープンして4年ほど。当初は忍さんが来てくれて、その紹介で、美穂さんもいらっしゃるようになりました」
月に1回は中山さんから弁当の注文が入り、数か月に1回は直接、店を訪れていたという。
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「いらした際は、必ず“ありがとう、お弁当おいしかったよ”と言ってくれて、僕みたいな、ただの飲食店の従業員にも分け隔てなく、気さくに接してくれる人でした。忍さんが僕を下の名前で呼んでくれていたのにならって、美穂さんも“シンちゃん”と呼んでくれるんですから」
常連だった忍は、来店するたびに姉について話していたという。
「忍さんは“聞いたよ! この間、姉のライブにお弁当を届けてくれたんだってね。ありがとう”って、美穂さんのことでもきちんとお礼を言ってくれるんです。本当に仲がいいんだなって」
ふたりが揃って訪れたときには、特別に仲のよさを感じた、忘れられない姉妹の姿があったという。
「帰るときには、いつも姉妹で楽しそうに腕を組んでいました。だからこそ、亡くなった直後にテレビで流れていた、報道陣が忍さんにコメントを求めるニュースは見られませんでした」
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姉が投稿したように、その背中を追いかけ続けた妹は、スターとなった中山美穂さんの1番のファンでもあった。
《“演じたい”と口にすべきか悩みましたが》
忍のSNSには、美穂さんのライブに足を運び、その度にこんな思いを綴っていた。
《やっぱりうちのおねえやんはすごいなぁ、とあらためて感じた名古屋の夜でした》(2019年3月18日投稿)
《ファンの皆さまの前で歌う姉は楽しそうだった、幸せそうだった。歌うことへの情熱を、ずっと胸に抱いていたのを見てきたから、なんだか感無量で泣けてきました。姉が好きな歌を、ずっと歌えますように》(2022年5月21日)
《胸に迫るものがあり、泣いちゃった。周りを見たら、一緒に行った人、みんな泣いてたよ》(2023年6月25日投稿)
そして必ず、中山さんのファンに向けた感謝の言葉も忘れなかった。
「2023年に出演したテレビ番組で、忍さんは美穂さんのライブによく行くことを明かしたのですが、ステージ上の姉を熱心に応援する姿があまりも目立ちすぎて、美穂さんから注意されたことを明かしていました。2023年から約30年ぶりに忍さんもコンサートを開催するようになったのですが、それも美穂さんの影響があってのことかもしれません」(前出・スポーツ紙記者)
中山さんが急逝した1週間後の12月12日、葬儀が執り行われた。喪主を務めたのは、忍だった。葬儀に参列した人は、
「いろいろな方に気を遣われていたけど、気丈に振る舞っていた。ものすごくつらいはずなのに、マスコミ向けのコメントも出して、頭の下がる思いです」
と明かす。葬儀を終えた今、大好きだった姉がいないという現実に直面する日々を過ごしているはず。
しかし12月26日、2025年1月から放送されるドラマ『日本一の最低男※私の家族はニセモノだった』(フジテレビ系)の公式Xは、美穂さんの代役として、忍が出演することを発表したのだ。忍は、コメントを発表し、
《姉の不在の存在感の大きさに、現実のこととは思えず、ポカンとしてしまう日々を過ごしておりました》
そう直近の様子を明かしたうえで、美穂さんが出演予定だったドラマの行方を気にかけたという。そのうえで、次のように続けた。
《“演じたい”と口にすべきか悩みましたが、最後くらい素直にならなくては後悔すると思い直し、ご相談させていただきました。姉の演じた役を引き継ぐ形で作品に携わることができますことをとても嬉しく思っております》
忍は、憧れだった、自慢の姉だった美穂さんと、これが最初で最後の共演となる――。