<第37回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞(日刊スポーツ新聞社主催、石原音楽出版社協賛)>
中西希亜良(13)が新人賞を受賞した。
演技未経験で出演した「ぼくのお日さま」1作で、史上最年少13歳で新人賞獲得の快挙を成し遂げた。中西は「自分が賞を取るとか思ってもみなかった。ノミネートを聞いた時点で、すごいうれしかったので…信じられない」と驚いた。
4歳から続けたスケートが、想像もしなかった俳優への扉を開いた。リンクに「ヒロイン募集中」の張り紙があり、コーチの勧めでオーディションを受け、自身と同じフィギュアスケート選手役を射止めた。撮影当時は11歳。池松壮亮(34)演じるコーチに怒りをぶつけるシーンで見せた感情のうねりは、体に染み付いたスケートの実演以上に強烈なものを刻み込んだ。募集を見た当時の自分に受賞を伝えたら? と聞かれると「ウソだと思い『そんなわけないでしょう?』と言うと思います」と笑った。
英語とフランス語はネーティブレベルで、日本の俳優が海外の作品に挑戦する際、直面する言葉の壁など存在しない。海外の作品に出演したら? と聞かれると「すごい経験になりそう」と笑みを浮かべた。届いた吉報に1つの目標を掲げ、「役を通していろいろな挑戦をし、自分の新しい面を探し、どんな役でもなりきれる俳優」。可能性の翼は世界へ広がる。【村上幸将】
|
|
■新人賞・選考経過 「スケール感を感じる。演技はまだ未知数だが、これからすごい女優になる感じがある」(石飛徳樹氏)「彼女が作品を支えている印象があった」(服部宣之氏)など、存在感とスケールが評価され、1回の投票で過半数を獲得。
◆日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞の年少受賞 いずれも新人賞で、88年の第1回で「ラブ・ストーリーを君に」の後藤久美子、20年「ミッドナイトスワン」の服部樹咲が14歳で受賞。98年には「アンドロメディア」でSPEEDが受賞し、メンバー最年少の島袋寛子は14歳だった。13歳の中西は最年少受賞となる。
◆中西希亜良(なかにし・きあら)2011年(平23)6月16日生まれ、東京都出身。特技はフィギュアスケートで、アイスダンスで全日本フィギュアのノービス選手権(10〜13歳)に出場した経験を持つ。12歳で参加した5月のカンヌ映画祭(フランス)では、フランス人の父に磨かれたフランス語を、7月の外国特派員協会記者会見では流ちょうな英語を披露し注目された。160センチ。
◆ぼくのお日さま 吃音(きつおん)のホッケー少年・タクヤ(越山敬達)は、フィギュアスケートを練習するさくら(中西)に一目ぼれする。やがて、さくらのコーチで元フィギュアスケート選手の荒川(池松壮亮)の提案で、2人はアイスダンスのペアを組む。
昨年「THE FIRST SLAM DUNK」で新人賞の井上雄彦監督(57) 中西希亜良さん、このたびは新人賞おめでとうございます。1年後、5年後、10年後…変わるものも変わらないものも、そのときどきのご自分の感性を、大切になさってください。
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2024 Nikkan Sports News. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。