田中圭(40)が28日、東京・新宿ピカデリーで行われた主演映画「私にふさわしいホテル」(堤幸彦監督)公開記念舞台あいさつで、堤幸彦監督(69)から請を受けて、女性役のオーディションの相方を務めたと振り返った。同監督が「(キャストが)普通、やらないですよね」と言う異例の役目を果たす中で、同監督からむちゃ振りされ、渡部篤郎のものまねまでやったと振り返った。
「私にふさわしいホテル」は作家・柚木麻子氏の小説を実写化。のんが、新人賞を受賞も滝藤賢一(48)演じる大御所作家・東十条宗典から酷評され、華々しいデビューを飾ることなく小説を発表する場も得られない不遇の新人作家・中島加代子を、田中は加代子の大学先輩の編集者・遠藤道雄を演じた。加代子が文豪に愛された憧れの東京・山の上ホテルに宿泊した際、上階に東十条が宿泊していることを知り、遠藤の手引きで東十条の執筆を邪魔し、締め切り日に文芸誌の原稿を見事、落とさせ、因縁の対決に突き進んでいく物語。
田中は、役どころについて「敵か味方か…何を考えているのか分からないミステリアスさ。自分の思い通りになると思っているのかな、と」と評した。そして「ミステリアスとクレバーと、僕も言われていますから、いつも通りにやらせていただきました」と笑みを浮かべた。滝藤から「えっ?」と突っ込まれると「違いますか」と笑った。
話の流れの中で、堤監督は「女性役のオーディションから参加して頂いた」と、田中にオーディションの相方を頼んだと明かした。「同じことをやっていて、僕が飽きてきて、次は渡部篤郎を…と言ったら、その通りやってくれる。正確無比な男」と当時を振り返った。
田中は「なぜ役の相手、ぼくがやったんですかね? 俺のマネでケラケラ笑っていて、大丈夫かなと」と笑いながら聞いた。堤監督は「普通、やらないですよね」と笑いつつ、田中が相方を務めた女性役は「たくさん、出られる方」と説明した。
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田中は、今年1年を振り返り「いろいろやらせて頂き…全て今年じゃないくらい。あれも今年か、これも今年かと…そう考えると充実していたかな」と語った。
◆「私にふさわしいホテル」新人賞を受賞したにも関わらず、未だ単行本も出ない不遇な新人作家・相田大樹こと中島加代子(のん)。その原因は、大御所作家・東十条宗典(滝藤賢一)の酷評だった。文豪に愛された「山の上ホテル」に自腹で宿泊し、いつかこのホテルにふさわしい作家になりたいと夢見る加代子は、大学時代の先輩で大手出版社の編集者・遠藤道雄(田中圭)の力を借り、己の実力と奇想天外な作戦で、権威としがらみだらけの文学界をのし上がっていく。ズタボロになっても何度でも立ち上がり、成功を己の力で引き寄せていく加代子の奮闘に、手に汗を握りながらいつしか虜になっていく。
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