園子温監督(63)が28日、自身の公式サイトに声明を発表。自身の13年の監督作「地獄でなぜ悪い」の同名主題歌を、大みそかのNHK紅白歌合戦で歌う予定だったシンガー・ソングライター星野源(43)が、批判を受けて曲目を「ばらばら」に変更した件についての見解をつづり、一連の騒動の発端となっていることに関しては謝罪した。
園監督をめぐっては、22年4月に一部芸能メディアが、複数の出演女優に性行為を迫ったり性行為に応じれば仕事を与えるなどと説明し、行為に及んだなどと報道。同監督は、損害の賠償と謝罪広告とインターネット上の記事の削除を求める訴訟を提起するなどしていた。そうした経緯から、自身も出演した映画の同名主題歌「地獄でなぜ悪い」を、ギター弾き語りの特別バージョンで披露する予定だった星野に対し、二次加害の可能性もあると批判が出ていた。
園監督は「一部の報道等におきまして、紅白歌合戦における星野源氏の曲目変更に関連して、私に関する性加害疑惑が今も残存しているかのような情報発信がなされておりますが」と現状を説明。「上記疑惑を発信した週刊女性に対しては、過日のご報告のとおり、同社を刊行する主婦と生活社を被告として訴訟提起をし、すでに同社との間で裁判上の和解が成立し、同社における関連するインターネット記事の削除がされております」とした。
そして、X上で上記疑惑があるかのように発信を続けている人物がいるとした上で、当該人物に損害賠償等請求訴訟を提起し、審理が続けられてる状況であると説明。「私においては、上記の解決を待ちまして、改めてこれまでの一連の報道について私の口から直接詳しくご説明を行いたいと考えております」とした。その上で「この度は多大なるご心配やご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございません」と、星野の曲目変更に発展した騒動については謝罪した。
星野は、26日に公式サイト、インスタグラム、Xを更新。発表し、曲目変更の理由を明らかにした。同曲が、自身が12年にくも膜下出血で倒れた経験を元に制作したものであり、映画のストーリーを元にしたものではないと強調した上で、タイトルからヒントを得たこと、性加害の二次加害の可能性を完全に否定できないことも認めた。また、あくまで選曲はNHKサイドの強いオファーからだったことも強調した。
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星野の公式サイトは「先日発表された『第75回NHK紅白歌合戦』の、星野源の歌唱楽曲についてご報告させていただきます。楽曲『地獄でなぜ悪い』は星野源の曲です」と説明。「星野は2012年にくも膜下出血で倒れ、その闘病期に病院でこの楽曲の作詞をしました。詞の内容は、星野の個人的な経験・想いをもとに執筆されたものです。後述する映画のストーリーを音楽として表現したものではありません。星野源の中から生まれた、星野源の歌です」と、書き下ろしたものの、それは自身の体験、思いが元になっており、映画のストーリーを元にしたものではないことを強調した。
一方で「すでにSNS等で指摘されているように、のちに性加害疑惑を報道された人物が監督した映画の主題歌であること、映画タイトルにある『地獄』というワードにヒントを得たこと、映画タイトルと同名の楽曲であることもまた事実です」と、園監督の「地獄でなぜ悪い」のタイトルからヒントを得たことも認めた。その上で「この曲を紅白歌合戦の舞台で歌唱することが、二次加害にあたる可能性があるという一部の指摘について、私たちはその可能性を完全に否定することはできません」と。性被害の二次加害の懸念があることも認めた。
そして「今回の歌唱楽曲は『アーティストの闘病経験を経て生まれた楽曲で、いま苦しい時代を生きる方々を勇気づけてほしい』という、紅白制作チームからの熱意あるオファーを受けて選定された経緯があります」と、あくまでNHK側のオファーから選曲したものであると強調。その上で「しかし、そのオファーの意図から離れ、真逆の影響を与えうるのであれば、それはオファーを受けた私たちの想いに反してしまいます。そのため、今回同曲を歌唱することを取りやめることにいたしました。私たちは、あらゆる性加害行為を容認しません」とした。
ただ「この曲が多くのファンの皆様に愛していただいている楽曲であることを、私たちはよく理解しています。また、星野自身もとても大切にしている楽曲であることはこれからも変わりません」と「地獄でなぜ悪い」が大切な曲であることも、改めて強調。その上で「紅白制作チームと協議の結果、今回は曲目を変更し、『ばらばら』を弾き語りします。ご期待いただけますと幸いです。星野源&スタッフ一同」としていた。
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