テレビの人気特撮番組「ウルトラセブン」などの音楽を手掛けた作曲家の冬木透(ふゆき・とおる、本名蒔田尚昊=まいた・しょうこう)さんが26日午後10時51分、誤嚥(ごえん)性肺炎のため東京都内の病院で死去した。89歳だった。中国東北部(旧満州)出身。葬儀は近親者で営んだ。喪主は妻良子(りょうこ)さんと長女和可女(わかな)さん。
エリザベト音楽短大、国立音楽大で作曲を学び、1956年、TBSの前身「ラジオ東京」に入社し、テレビドラマ「鞍馬天狗」で作曲家デビューした。61年に退社後は「ウルトラセブン」など円谷プロの特撮シリーズの音楽を担当。「セブン」の主題歌や、「帰ってきたウルトラマン」で「ワンダバ」という男性コーラスが印象的な防衛隊出撃時のテーマ曲など、シリーズを代表する楽曲を生み、「ウルトラ音楽の父」と呼ばれた。NHK連続テレビ小説「鳩子の海」の音楽も担当した。
蒔田尚昊名義では多くの合唱曲や賛美歌を作り、桐朋学園大で後進の指導にも当たった。