長塚京三、瀧内公美、河合優実、黒沢あすかが語る! 映画『敵』キャラクター&関係性を深掘り

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2025年01月03日 14:10  クランクイン!

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映画『敵』場面写真 (C)1998 筒井康隆/新潮社 (C)2023 TEKINOMIKATA
 映画『敵』より、長塚京三、瀧内公美、河合優実、黒沢あすかのコメントが到着。長塚が自身演じる儀助と魅惑の女性たちの関係性を紐解くほか、瀧内公美、河合優実、黒沢あすかが、長塚京三と儀助の魅力を語った。

【写真】元大学教授・儀助(長塚京三)の亡き妻を黒沢あすか、大学時代の教え子を瀧内公美、行きつけのバーでアルバイト店員を河合優実との関係性が映し出された新場面写真

 筒井康隆の同名小説を吉田大八監督が映画化した本作。

 12年ぶりの映画主演となる長塚京三は元大学教授・渡辺儀助を演じ、人生の最期に向かって生きる人間の恐怖と喜び、おかしみを同時に表現する。清楚(せいそ)にして妖艶な魅力をもつ大学の教え子には瀧内公美。亡くなってなお儀助の心を支配する妻役には黒沢あすか。バーで出会い儀助をほんろうする謎めいた大学生には河合優実。そのほか松尾諭、松尾貴史、カトウシンスケ、中島歩ら実力派俳優陣が脇を固める。

 原作者の筒井は「すべてにわたり映像化不可能と思っていたものを、すべてにわたり映像化を実現していただけた」と本作を絶賛。吉田監督は「自分自身、この先こういう映画は二度とつくれないと確信できるような映画になりました」と自身の新境地を見せる。また本作は、第37回東京国際映画祭にてワールドプレミア上映を迎え、東京グランプリ、最優秀男優賞、最優秀監督賞の3冠を達成した。

 本作の魅力の一つとも言えるのが、20年間一人暮らしの元大学教授・渡辺儀助(長塚)と、物語のキーとなる3人の女性たちとの関係性だ。物語が進むにつれて、亡き妻・信子(黒沢あすか)、大学時代の教え子・鷹司靖子(瀧内公美)、行きつけのバーでアルバイトをする菅井歩美(河合優実)によって儀助の内面がつまびらかにされていく。

 長塚は自身の演じる儀助について、3人の女性によって「インテリ特有の小心さや、狡猾さみたいなものが滲んでくる」と語る。亡き妻・信子と儀助の関係については「もうひとつ愛しきれていなかった部分があって、約束したパリに連れていかなったことは大きい」と、あるシーンに触れながら言及。「きっと(儀助は)相手を見て判断したところがある。どうせ真髄を味わえないだろうと。やっぱり思い上がっていますよ、儀助は!」と自身が演じた儀助を分析する。

 元教え子・鷹司やバーで働く菅井との関係については、「教え子の靖子の恋愛相談に乗って力になろうとしたり、大学生・歩美の滞納している授業料を心配したりと、懐の深いところを見せようとするけれど、相手のことを慮っていたのかは分からない。実はお為ごかしで、下心があったのかもしれないし、余計なお節介だったのかもしれない…観客の皆さんはどう受け止めてくださるのでしょうか」と、女性に対してとる儀助の行動の真意を想像しながら笑って見せた。

 本作の肝とも言うべきこの3人の女性たちのキャスティングについて、吉田大八監督は、「瀧内さんは撮影初日に衣装でカメラ前に立ったときから、圧倒的な“靖子感”だった。河合さんも、彼女らしい聡明さで僕の想像を超えた歩美を軽やかに創ってくれた。黒沢さんは以前からそのスケールの大きさに日本人離れしたものを感じていて、信子の複雑な儚さを強烈に表現してくれたと思う」と太鼓判を押す。

 そんな魅力あふれる役柄を演じきった黒沢、瀧内、河合。長塚との共演について、夫婦という立場を演じた黒沢は「横に座ったときに、なんて自分がクリアになってくんだろうという空気清浄機で浄化されていくような感覚。至福の時だった」と自身の感じた“長塚京三効果”を振り返った。

 また、瀧内は「皆さんへの接し方や立ち居振る舞いを拝見して、非常に勉強になるところがあった。本質をついていらっしゃるので、すごく胸に刺さる。日本の宝となる大先輩の俳優とご一緒させてもらったのだと感じた」と恐縮した様子。

 河合も「長塚さんの表現を観に行くだけで、敵を観る喜びがあるんじゃないかっていうぐらい見惚れていた。お芝居させてもらった時も、台本に書いてあるセリフがもう終わったけど、少しの間カットはかからない時の儀助が強烈に印象に残っていて、そのときの目が忘れられない。私がイメージしていた儀助という人と長塚さんを重ねて見てしまった」と語った。

 共演した3人全員が絶賛する長塚の演技、その長塚が演じる儀助を取り巻く女性陣3人の好演に期待が高まる。

 映画『敵』は、1月17日より全国公開。
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