「ずっと復活を熱望していたので、本当に感激しました。もう“やったー!”という感じで。すごくうれしかったですね」
と目尻を下げるのは、松平健。言わずと知れた代表作『暴れん坊将軍』が、なんと17年ぶりに復活を遂げる……!
『暴れん坊将軍』は「3か月で終わる」という噂も
「『暴れん坊将軍』をまたやるためには、いつでも健康でいなきゃいけない。だから、常日頃から身体は動かしていました。毎朝のウォーキングは30分〜1時間。ストレッチも欠かさずに。だから撮影前、特別に準備したことはないし、17年ぶりの吉宗にもブランクは感じなかったですね」
時は江戸時代。八代将軍・徳川吉宗(松平)が貧乏旗本の三男坊・徳田新之助(通称:新さん)として庶民の暮らしにまぎれながら世の悪を斬る。今作『新・暴れん坊将軍』の監督は三池崇史、脚本は大森美香だ。
「立ち回りはこれまで以上に、ふんだん。もう冒頭からあるので。今回の台本は面白かったですね。息子・家重(西畑大吾/なにわ男子)が登場して、後継争いなど親子がテーマになっています。あとはホストクラブのようなところが出てきたり(笑)。時代劇だけど新しい。だから若い人にも見やすい内容になっていますね」
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嫡男・家重は次期将軍候補。病により右腕が不自由で、言葉も滑らかではない。しかし、吉宗も知らない秘密が……。
『暴れん坊将軍』のスタートは'78年。松平は24歳だった。
「これほど長く演じることになるとは全然思ってなかったですね」
と、若かりし日を振り返る。
「ただ、やっぱり長く続けたいと思ってはいましたけど。当時は、新人が主役をやるなんてことはなかったんですね。時代劇の主役はスターさんがやる時代でしたから。抜擢してくれた側も冒険だったと思いますし、プレッシャーはもちろんありました」
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放送は土曜夜8時。『8時だョ!全員集合』や『欽ちゃんのドンとやってみよう!』など、裏番組は最強。
「ドリフターズのみなさんが視聴率30%を取っている中、8%とか9%。1桁でしたから。“3か月で終わる”なんて噂が流れたり。それはやっぱりつらかったですね」
しかし、視聴率は徐々に上がっていく。
「やっていてすごく楽しかったし、作品を見てもとっても面白かったんですね。北島三郎さんや有島一郎さん、横内正さんなど諸先輩たちが、自分の周りを囲んでくれたおかげです」
レギュラー放送は'03年まで続き、その後もスペシャルでの放送を重ね、今作で833回! 日本中の誰もが認める、時代劇の金字塔に。
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俳優としてだけではなく、'04年発売の『マツケンサンバII』は時代を超えて愛され続け、若者ウケも抜群だ。'24年は、芸能生活50周年という大きな節目。
『マツケンサンバ』再ブーム不思議だった
劇場公演のほか、同じく50周年を迎えた『ハローキティ』とのコラボも話題になった。新しいことにどんどんチャレンジし、攻めの姿勢を崩さない。大御所なのにサービス精神旺盛でい続けられる理由を尋ねると、
「なんででしょうね? 最近の若い方の企画がすごく面白くて、それに乗っているんですけど。喜んでくれる方がいるから、多分できるんでしょうね。再ブームと言われても、“何が?”みたいな。最初は不思議でしたけど。ただ『暴れん坊将軍』のレギュラー放送が終わったときに“いろんなものにチャレンジしよう”という思いはあったので」
今後、ありたい像についてはどう考えているのだろう?
「70歳までできたので、やっぱり次の目標は80歳。それまで頑張りたいなという思いはありますね」
松平健の挑戦と遊び心は、これからも続く─。
若さの秘訣、教えて!
現在71歳。いつの時代も変わらずカッコよく、若さを保ち続けている。その秘訣は?
「いやいや、そんな(笑)。やっぱり、お客様の前に立つからかもしれない。特に舞台ですね。私たちは“笑顔で元気に帰ってもらいたい”という思いでやっているんですけど、拍手や笑いをいただけると、逆にエネルギーをもらって“次も頑張ろう!”と思える。だからじゃないでしょうか?」
テレビ朝日ドラマプレミアム『新・暴れん坊将軍』
1月4日(土)夜9時〜(テレビ朝日系) 出演/松平健、西畑大吾、小澤征悦、GACKT(特別出演)、高島礼子、生瀬勝久 ほか