1月4日、サウジアラビアを舞台に開催される『ダカールラリー2025』のステージ1が実施され、トヨタ・ガズー・レーシングのセス・キンテロ(GRダカール・ハイラックスEVO)がステージウインを飾り、総合首位に立った。
前日にイベント最初の走行セッション“プロローグ”を終えた各チームは、そのフィードバックを反映した整備を終え、約8000kmにわたるラリーのスタートラインに集まった。
プロローグのトップ10のドライバーは、トップ30圏内からスタート順を選び、多くのドライバーは10番手前後からスタートすることを選択。結果的にギヨーム・ド・メビウス(X-RAIDミニJCWチーム)が先頭となり、計499kmのステージ1『ビシャ』が開始された。
まず最初のタイムチェックとなる39km地点から122km地点までは、ゲラン・シシェリ(X-RAIDミニJCWチーム)が最速タイムをマークする。
そこで、好調のミニを攻め立てたのはトヨタ勢で、151kmではルーカス・モラエス、サオード・ヴァリアワ(ともにトヨタ・ガズー・レーシング)らがタイムを更新してトップへ。
以降、200〜330kmのステージ中盤にてシシェリとモラエスがベストタイムを奪い合う展開となり、最終盤の100km弱を終えたところでシシェリが暫定ベストタイムをマークした。
これで、最初のステージはミニからエントリーするシシェリが勝利したと思われたが、5〜6番手をキープしながら走行していたセス・キンテロ(トヨタ・ガズー・レーシング)に対し、クラッシュしたドライバーを助けるために短時間停止していたことが認められ、95秒短縮の裁定となり、45.0秒のリードを得てステージの実際の優勝者となった。
こうしてダカールラリー2025の初日は、総合首位がキンテロ、2番手がミニのシシェリ、3番手はトヨタのヴァリアワというトップ3で終了した。これは22歳のキンテロにとっては最高峰クラス初のステージウインであり、なおかつダカールラリーのなかで史上最年少の記録とされた。
4番手には、プライベーターのフォード・ラプターを駆るマーティン・プロコップがつけ、5番手にはザ・ダチア・サンドライダーズから出走している女性ドライバーのクリスティーナ・グティエレスが入っている。
なお、プロローグで4番手スタートを切ったT1クラス初参加となるロカス・バチュースカ(オーバードライブ・レーシング)は、マシントラブルが発生したために210km地点で15分近くの停車を余儀なくされ、大きく遅れを取ってしまった。
そして、2輪部門ではKTMのダニエル・サンダースが首位発進。2番手にホンダのリッキー・ブラベック、3番手にヒーローのロス・ブランチがつける大会初日となった。
またステージ1の68キロ地点では、ヒーローに乗るセバスチャン・ビューラーがクラッシュし肩を負傷。ホンダのスカイラー・ハウズは、医療チームが到着するのを待つ間、彼を助けるために立ち止まっている。ここで停止した約10分間は、ステージ終了時の彼のタイムから差し引かれる。
大会2日目は、早くも大会の山場のひとつである“48時間クロノ”に突入する。2024年に初実施となったこのステージは、2日間かけて争われるにもかかわらず、1日目の後にはチームメカニックではなくクルー自らの手でマシンを整備し、スペアパーツ等にも制限がかかる過酷な区間となる。
このハードなステージへ向け、総合優勝を期待されているナッサー・アル-アティヤやセバスチャン・ローブ(ともにザ・ダチア・サンドライダーズ)らは、走順を遅らせるためにデイ1を20番手付近にとどめた様子だ。
48時間クロノは、2日間を通して計1058kmのセッションが実施される予定だ。