「頻尿で紙おむつを使用」テリー伊藤、男性更年期で夏でも寒い“冷え”と熟睡できない“トイレ事情”

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2025年01月05日 07:00  週刊女性PRIME

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2024年11月、インタビューに答えるテリー伊藤(撮影/佐藤靖彦)

更年期障害は、女性特有の症状と思われていた時代もあったが、男性にも起こる。「眠りの浅さや、トイレが近くなる頻尿に悩まされていた」というテリー伊藤が、症状や向き合い方を激白。

「まず、体温調節ができなくなってきて、夏でも寒くてしょうがない。打ち合わせなんかしていても、自分だけ寒くてね。

 一番困ったのが、トイレが近くなってきたこと。テレビの生放送をしているときも、CM中に何度もトイレに駆け込んではみんなに笑われたりしてましたから。それで周りに“どこかいい病院ない?”って聞いて」

 そう話すのは、演出家でタレントのテリー伊藤さん(74)。40代のとき体調に異変を感じ、知人の紹介で泌尿器科を訪れた。

 問診に始まり、血液検査、尿検査とひと通り検査を行っている。主な病気は見つからず、いわゆる男性更年期障害の始まりだった。

『元気が出るテレビ』のころは4時間寝られたらラッキー

 男性更年期障害の引き金といわれているのが、過度な仕事やそのストレス、不規則な生活など。

 テレビ業界の第一線で昼も夜もなく働き、やはり思いあたるふしは大いにあったと振り返る。

「テレビの演出をやっていると、打ち合わせをしたり、ロケに行ったりと、仕事に関わる時間が長くて。特に編集現場に行くと、朝までずっと編集作業をしているから寝られないんです。

 ちょうど『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)をやっていたころで、4時間寝られたらラッキー、みたいな生活を3〜4年送っていましたね。本当に今だと考えられないような、もうコンプライアンスなんて何もない時代ですよ」(テリーさん、以下同)

 近年知られるようになった男性の更年期障害だが、女性のそれとも現れ方がまた違う。女性の場合は主に閉経を迎える40代後半に発症するのに対し、男性の発症時期は40代〜80代と幅広い。症状も、のぼせ、倦怠感、不眠、イライラ、性欲減退とさまざまだ。

「自分の場合もそう。体調の変化に続いて、週刊誌のグラビアで女の子のエッチな写真を見ても全然ときめかなくなってしまったんです。これはヤバイと思ったよね(笑)

 治療は各人の症状や要望に合わせ、投薬や漢方、注射が主に用いられる。加えて、男性ならではのこんな処置も。

「勃起しなくなるような手術もあって、それで頻尿を減らすんです。男性によっては、高齢で妻との営みももうないし、それより夜中に何度もトイレに行くほうが嫌だと言って受ける人もいるそうです。男として苦渋の決断ですよね。ただ自分はまだ女の子とエッチしたいからと言って、手術は受けなかったけど(笑)」

朝まで熟睡できたことがない

 投薬を始めたものの、完治とはならず。一晩で3、4回トイレに起きるのは当たり前、ここ数十年、朝まで熟睡できた覚えがないというからつらい。

「冷たいものが飲めなくなって。最近はコンビニで白湯(さゆ)が売っているので、それを飲むようにしています。カフェインの入ってるコーヒー、紅茶、日本茶も基本的に飲みません。スタバに行ってもノンカフェインのデカフェを注文したりしてね」

 医者や薬を頼っても、不調のすべてが解消されるわけではない。調子のいい日もあれば、ダメな日もある。

 更年期障害の発症から30年以上がたち、不調との付き合い方も自分なりに見いだしてきた。その一つが運動で、ジム通いのほか、ウォーキングとラジオ体操を習慣にする。

「ウォーキングは週に3日で、大体1時間くらい歩いています。ラジオ体操は近所の公園で朝6時半からやっていて、いつも200人くらい集まってきますね。おじいさん、おばあさんたちと仲よくなって、よく健康についてみんなと情報交換してますよ(笑)」

 さらに7年前に極真空手に入門。多忙なスケジュールの合間を縫い、週1回のペースで道場に通う。意外にも、空手の稽古は更年期障害の改善に役立ったそう。

「空手に行ったら、みんなで腰をぐるぐる回してベリーダンスみたいなセクシーな動きをしているんです。股関節の辺りを動かすと血流がよくなるから、頻尿対策にもよくて」

 食生活の改善にも取り組んでいる。これは体調はもちろん、体形維持にもつながった。

「といってもそんな大げさなものではなくて、朝はまずトマトで、夜はタンパク質をとるように意識しているくらい。60歳を過ぎたら腹七分で、贅沢はしないこと。高級店なんてまず行かないですよ。

 あとは普通の食生活をしていればいい。例えば秋刀魚が美味しい季節だったら、秋刀魚を食べたりして。やっぱり日々の自分の努力だと思う。おかげで61キログラムをキープしています。でも甘い物は食べちゃう。好きだから、こればかりは誘惑に負けちゃうんだよね(笑)

「ペーパーブリーフ」って、ちょっとカッコよくない?

 日々、対策はしつつも、不調との共存は続く。とりわけ頻尿の不安は大きく、試行錯誤を繰り返してきた。その結果、たどり着いた秘策が─。

「紙おむつ! これをぜひみんなに推奨したいんだよね」

 尿漏れ対策の薄型タイプで、日ごろから愛用していると話す。

「ロケに行って高速道路を1時間も2時間も走っていると、やっぱりトイレに行きたくなっちゃうじゃないですか。渋滞に引っかかったりしたらもう大変。それが嫌だから、保険の意味で、紙おむつをはくようにしています。不安じゃないってすごく大事なことだと思うから。

 今どきの紙おむつは見た目も優れていて、スポーツジムの更衣室でうろうろしててもわからないくらい。でも紙おむつっていう言葉はあまり好きじゃないから、自分はペーパーブリーフって言ってます。ペーパーブリーフって、なんだかちょっとカッコいいじゃない?

 女性の更年期に比べ、男性の更年期の認知はいまなお低い。男性更年期障害に悩む男性は多くとも、その大半が口にできずに一人で抱えているという。

 周囲の理解も必要だ。例えば、自分の夫が更年期障害を発症したら、妻はどう接すればいいのだろう。

「夫の前で“あなた更年期障害になっちゃったの?”なんて追い込んでいかないこと。更年期になっちゃったんだと悲観的になるのではなくて、年なんだから当たり前だと受け止める。

 一緒に歩いたりするのもいいと思う。“運動不足だから歩いてきなさいよ”って言ってもきっと歩かないから、“じゃあ一緒に歩きましょうよ”と誘ったりしてね」

 メディアを通して自身の経験を発信し、男性更年期の浸透に貢献してきた。そこで救われた男性は少なくないはず。

男性更年期障害って恥ずかしいことではなくて、それを受け止め、どう生きるか。治るのがベストなんだけど、治らないことも当然ある。治らないってすごく強い言葉だけど、誰しも年を取れば起こることだから、それをどう乗りこなしていくかということを考えていけたらいいですよね。

 何でもそうだけど、後ろを振り返って、過去の自分の栄光の日々をいつまでも追いかけていてもしょうがない。これからどう楽しく生きるかを考えていく。考え方次第で、面白く生きられる方法があるってことだと思うんだよね

テリー伊藤●1949年、東京都生まれ。演出家。日本大学卒業後、テレビ制作会社に入社。『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』『ねるとん紅鯨団』などのヒット番組を手がける。独立して『浅草橋ヤング洋品店』を総合演出。テレビ番組のコメンテーターとしても活躍。『お笑い北朝鮮』など著書も多数。

取材・文/小野寺悦子

このニュースに関するつぶやき

  • 88歳の父は紙おむつを嫌いますね!
    • イイネ!13
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