一昨年にSMILE-UP.を退所、現在はフリーランスとして活躍している俳優の風間俊介。ディズニーマニアとして有名であるほか、航空会社のステータスポイントを得るために全国各地を飛行機で旅する「マイル修行」をしていることでも知られる。
1月5日に放送が始まる今年のNHK大河ドラマ「べらぼう」では、蔦重のライバルの地本問屋、鶴屋喜右衛門を演じる。
さて、「風間」は全国ランキングで1000位以内というメジャーな名字で、信越地方に広がっている。一般的に「風間」とは風が吹き止んでいる時をさす言葉だが、名字としては「風間」は地名由来のものが多いとみられる。
「風間」という名字のルーツとして有名なのは信濃国水内郡風間(現在の長野市風間)で、ここには風間氏の会によって「風間氏発祥の地」という記念碑も建立されている。
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この地名は同地にある風間神社に由来する可能性が高い。
風間神社は「延喜式」にも記載されている古い神社で、祭神は級長津彦命(しなつひこのみこと)。級長津彦命は、イザナギノミコトとイザナミノミコトの間に生まれた神で、『古事記』では志那都比古神、『日本書紀』では級長津彦命と書かれている風の神様である。
近くを流れる裾花川は暴れ川であったため、それを鎮めるために建てられたのが起源らしいが、級長津彦命を祭神としているので、ここは風の強い場所でもあったのだろう。
長野県には諏訪大社という由緒ある大きな神社がある。
諏訪大社の神官をつとめる諏訪氏は次第に武士化し、その勢力を拡大していった。そして、風間神社も諏訪大社の末社となり、諏訪上社の社家矢島家直の二男忠直がここに住んで「風間」と名乗ったのが風間氏の始まりである。
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南北朝時代には南朝の武将に風間信濃守信昭がおり、越後直峰城(現在の新潟県上越市安塚区)を築城して拠っていたなど、長野県北部から新潟県の上越地区まで勢力を広げていた。
現在でも長野市と新潟県上越市に激しく集中している他、長岡市にも多い。
その他、山形市や神奈川県相模原市にも地名があり、名字も山梨県笛吹市や静岡市などにも多い。
◆森岡 浩 姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部卒。学生時代から独学で名字を研究、文献だけにとらわれず、地名学、民俗学などを幅広く取り入れながら、実証的な研究を続ける。NHK「日本人のおなまえっ!」にコメンテーターとして出演中。著書は「47都道府県名字百科」「全国名字大事典」「日本名門名家大事典」など多数。
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