1月6日、イギリス・ランドローバー社のアドベンチャーブランドである『ディフェンダー』は、FIA世界ラリーレイド選手権(W2RC)へ参戦し、そのうちのダカールラリーでは3台体制を築くことを明らかにした。
ディフェンダーが計画している2026年から3年間のワークス活動として、ダカールラリーをはじめとするW2RCの年間全5ラウンドに参戦することが決まった。
そのなかでも、2025年よりオフィシャル車両パートナーとして大会をサポートしているダカールラリーには、ワークスチームとして3台体制を構築し、世界でもっとも過酷なラリーイベントを支えつつも戦うことでクルマの耐久力や走破性をアピールしていく。
市販車のラインアップとして、『90』、『110』、『130』や、もっともパワフルな『OCTA』を持つディフェンダーが参戦するのは、市販車両ベースのSTOCK(ストック)カテゴリーだ。
旧T2グループであるこのストッククラスは、ディフェンダーが参戦開始する2026年シーズンの技術規定更新が決まっており、競争力が大幅に向上するとされている。
ダカールラリーにおいては、トヨタ車体がチームランドクルーザー・トヨタオートボデー(TLC)としてランドクルーザーを走らせ続け、連勝記録を作ってきたクラスだ。
ディフェンダーはこのストッククラス参戦に際して、「(ディフェンダーは)ダカールラリーのために作られたクルマと言っても過言ではありません。ディフェンダー本来の走破能力と目的に合わせて設計したD7x(xはエクストリームの意味)アーキテクチャは、軽量アルミニウム製モノコック構造をベースにしており、堅牢なボディ構造を実現しています。従来のボディオンフレーム設計の3倍の剛性を備えており、ダカールの過酷な走行条件に耐えられる完璧な基盤を提供します」とリリースに記している。
さらに、ディフェンダー担当マネージング・ディレクターであるマーク・キャメロン氏は、W2RC参戦の詳細について次のようにコメントしている。
「ダカール・ラリー2025が開幕しました。ディフェンダーはすでにオフィシャル車両パートナーシップを通じて、その卓越したパフォーマンスと耐久性を披露していますが、12カ月後には3台のディフェンダーがワークスチームとしてFIA世界ラリーレイド選手権に戻ってくることが決まっており、今から心が躍ります。私たちは、市販車の『ディフェンダー』の耐久性と信頼性を示すために、ストックカテゴリーでの参戦を選択しました」
「今後12カ月でやるべきことがたくさん控えていますが、ディフェンダーのワークスプログラムのテストと開発は順調に進んでおり、チームはすでに2026年から始まる究極のモータースポーツのアドベンチャーに注力しています」
続いて、JLR(ジャガー・ランドローバー)モータースポーツ担当マネージング・ディレクターであるジェームズ・バークレー氏もダカールラリーへの想いを次のように言葉にしている。
「私はダカールラリーを、モータースポーツ界における最高峰エベレストと呼んできました。今回、ふたたびプロローグステージのキックオフのためにここに来たことで、私たちが直面している挑戦がより強く感じられます。これは、人間とエンジニアリングの両方の観点からみても壮大なアドベンチャーとなります」
「2026年から非常に競争の激しいカテゴリーとなる新しいストックのFIA W2RCルールに従ってディフェンダーを開発するために、チームは懸命に取り組んでいます。私たちは、FIA、ASO、そして他のメーカーとともに、新しい規定の策定に協力してきました。これは、ダカール、W2RC、そしてラリーレイド全般にとって、エキサイティングな新時代の幕開けとなるでしょう」
ディフェンダーのワークスプログラムはすでに進行中であり、2025年秋にはテストを実施予定、その後2026年のダカール・ラリーに先駆けてチームが正式に発足するという。
オフィシャル車両パートナーとなっている2025年大会においても、20台のディフェンダーがレース関係者やVIPメディアの移動に使用されており、くわえて6台の特別レッキ車両が2026年、2027年、2028年のイベントのルート計画のためにレッキ車両として稼働中だ。