歴代ワースト視聴率をなんとか免れた『第75回NHK紅白歌合戦』。STARTO ENTERTAINMENT所属のアイドルグループは2年連続で出場者がいなかったものの、こっちのけんとやNumber_iといった若手アーティストたちはSNSで話題となった楽曲を披露。
全体的に華やかさが足りない紅白に
ベテランからは連続テレビ小説『おむすび』の主題歌を担当したB'zがサプライズ登場し、会場を大いに盛り上げた。
紅白はアーティストの歌唱やパフォーマンスだけでなく、華やかで豪華な衣装も見どころ。そこで、前回の'23年に引き続き人気スタイリストの矢部義浩さんに“勝負衣装”を独自の目線で採点してもらい、お金がかかっていそうな“高見え衣装”をランキング!
「全体的に衣装というよりもお洋服が多く、華やかさが足りないなと感じました。でも、みなさん高級ブランドを着ているので、お値段は高いと思います。ランキングでは、衣装が作り込まれていて、特に華やかなものを中心にチョイスしてみました」(矢部さん、以下同)
10位は連続テレビ小説『虎に翼』の主題歌『さよーならまたいつか!』を歌った米津玄師。スピンオフのドラマからの流れで歌唱するという特別演出を披露した。
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「赤レザーのセットアップは華やかさがあって目を引きました。名古屋市市政資料館で歌うというシチュエーションにもマッチしていましたね」
9位は白組でトリを務めた福山雅治。ホワイトスーツは大人の色気が感じられた。
「『アレキサンダー・マックイーン』の白いスーツに墨絵のようなペイントがされていて、お正月を意識したのかなと感じました。一見、誰でも着こなせそうなデザインですが、これは福山さんじゃないとキマらないでしょう」
2年連続の大トリを飾ったMISIAは8位にランクイン。紅組のトリも6年連続で務めるなど、もはや紅白の代名詞的な存在に。
「赤が印象的なボリュームのあるティアードのキャミドレスがとても豪華。でも、'23年の赤い着物と袴が素敵すぎたので8位止まりです」
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7位は、アイドルグループ坂道シリーズの2組が同着ランクイン。櫻坂46は騎士を彷彿とさせる凛々しくジェンダーレスな衣装で勝負。対する10年連続出場の乃木坂46はグループカラーの紫を基調とした衣装で華やかな装い。
「どちらのグループも衣装デザインがしっかりされていて文句なし! 大人数グループの衣装はバラバラしがちで難しいのですが、しっかりまとまっていました」
桂由美さんの遺志を受け継いだチームが衣装を担当
生バンドとともにパワーあふれるパフォーマンスを見せたSuperflyは6位。
「いつもながらのボヘミアンスタイル。'90年代に流行したグランジ・ファッションが取り入れられているようでした。メタリック系のフリンジで、とても華やかな仕上がり。ステージ上で照明があたるとキラキラして素敵でした」
5位の水森かおりは、3万6000個を倒すドミノチャレンジと歌を披露。故・桂由美さんに代わり、桂さんの遺志を受け継いだチームが水森の衣装を手がけた。
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「スレンダーラインの白いドレスにオーストリッチを使ったり、ビジューをあしらったりと豪華でした。ただ、例年に比べてボリューム感がなかったかも……。次回に期待したいです」
トレンドのデニムを取り入れたグローバルボーイズグループ、JO1が'23年の8位から4位にランクアップ。曲にちなんだ、視聴者も参加できる企画『LOVEを探す!』も大反響だった。
「デニム素材にふんだんにあしらわれたパールとレースがとても華やか。カジュアルアイテムをここまでドレッシーでフォーマル感のある衣装にできるJO1に圧倒されました」
3位にはロングヒットを記録した名曲『for you…』を今も変わらず見事に歌い上げた高橋真梨子(高=はしごだか)。
「黒いレースとチュールを使ったティアードドレス。トップにはビジューをあしらったレース素材を使用して、スカートは裾に向かって薄いグラデーションになった上品なドレスでした。モノトーンであっても地味じゃない!」
前回に引き続き、芸人たちを引き連れてのパフォーマンスをした山内惠介。
「白と赤の着物と洋服を合わせたジェンダーレスなデザインの衣装は、おめでたい感じが出ていてとてもグッド! モダンで大正レトロなデザインでトレンドを押さえていますね。毎回楽しみですが、今回も華やかでおしゃれな衣装でした。早くも次回の衣装が気になります」
栄えある第1位に輝いたのは、6年ぶりの出場となった西野カナ。活動再開後、初のテレビ番組出演となった。
「ピンクのたっぷりボリューミーなプリンセスラインのドレスは、今回の紅白の中ではひと際目立っていました。テールカットで前は短く、後ろはトレーンになっている素敵なドレスでした。あれだけ脚を出しているのも潔くて個人的には100点満点です!」
朝ドラ『おむすび』のキャストがサプライズで登場。仲里依紗は、役柄とマッチしたド派手なスタイルで会場を沸かせた。
「仲さんのロングキャミソールドレスは派手で華やか。トレンドであるレインボーカラーとレオパード柄をしっかり押さえていました。ヘアカラーも合わせていてリアル・ファッション・アイコン!」
身長が低い伊藤沙莉は足元にも工夫が
オープニングから特に目立った2人にも注目したい。
「作り込んだ衣装が少ない中、目立っていたのが椎名林檎さんとチャラン・ポ・ランタンのももさん。真っ赤なミニワンピースは共に『ドルチェ&ガッバーナ』。厚底ヒールと、'60年代風な金髪のヘアスタイルにリボンを添えてインパクト大なスタイリングで、とても可愛い!」
交際中だった年上の脚本家・蓬莱竜太氏と昨年末に結婚したことを、1月4日に報告した伊藤沙莉。紅白司会という大役を務めたときの衣装はというと……。
「オープニングの衣装は『ステラ マッカートニー』のイエローのセットアップでした。身長が低い伊藤さんはパンツルックだったので、けっこう裾上げしていたと思います。それでも、とても上手に着こなしていました。スタイリストさんはシューズにも気を配っていたんでしょうね」
'25年はNHKの前身である東京放送局がラジオ放送を開始して100年を迎える。節目にふさわしい豪華絢爛な衣装を次回も期待したい!