北米最高峰のオープンホイールと、スポーツカー耐久での輝かしい戦績を誇るエリオ・カストロネベスが、待望かつ最大限の期待を伴っていよいよNASCARカップシリーズに挑戦。2025年開幕戦として2月16日に開催される伝統の『デイトナ500』に向け、国際ゲスト枠としてトラックハウス・レーシングが用意する『Project 91』から、4台目のシボレー・カマロZL1に乗ることがアナウンスされた。
ブラジル・サンパウロ出身で49歳のカストロネベスは、NTTインディカー・シリーズで25勝、旧チャンプカー・シリーズで6勝を挙げており、世界三大レースのひとつに数えられる『インディアナポリス500マイルレース(インディ500)』で4勝、さらにロレックス・デイトナ24時間レースでは3度の総合優勝を果たしている。
そんなスターにNASCAR最高峰へチャレンジする機会を用意したトラックハウス・レーシングは、現地時間1月6日(月)にも今季デイトナ500のブッシュライト・ ポール予選に挑むカストロネベスのために「クルマを用意する」と発表し、レギュラーのロス・チャスティンとダニエル・スアレス、そして今季より晴れてカップ昇格を果たす“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギスバーゲンらとチームメイトになる。
「エリオは史上最高のドライバーのひとりで、まさに我々がNASCARに送り込みたいタイプのドライバーだ」と語るのは、豪州大陸王者SVGを発掘し、元F1王者キミ・ライコネンの北米召集も仕掛けた、チーム代表のジャスティン・マークス。
「世界中のレースファンはNASCARのもっとも名誉あるレースで、エリオを見るのを楽しみにしているだろう。また、我々のスポーツを世界中の観客に知ってもらうことになり、NASCARがいかに素晴らしいシリーズであるかを彼らに知ってもらうこともできるはずだ」
改めてカストロネベスは、デイトナ本戦の出場に向けシングルカーでの予選スピードか、もしくは“ザ・デュエル”方式の予選レースで40台のグリッド出場枠スポットを獲得する必要がある。そのクルーチーフをダリアン・グラブが務め、メインスポンサーには巨大ファストフード・チェーンの“Wendy's(ウェンディーズ)”が就任する。
「トラックハウス・レーシングのようなチームで、こうしてNASCARのレース……ましてやデイトナ500に出場するなんて夢にも思っていなかった」と、かつてのレース・オブ・チャンピオンズに始まり、豪州大陸最高峰のRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップやSCBストックカー・ブラジル“プロシリーズ”にもゲスト参戦した経験を持つカストロネベス。
「これは正気なドライバーなら断れないチャンスだ。ウェンディーズのユニフォームを着て、クルマをドライブさせてくれることを、ジャスティン・マークス、そしてこの実現に尽力してくれたすべての人に感謝している。レースが明日だったらいいのにね!」
今回の参戦プロジェクト確定により、カストロネベスはインディ500とデイトナ500の双方で優勝したマリオ・アンドレッティとA.J.フォイトに続くドライバーを目指すことになる。
「これがどれだけ大変なことかはわかっているが、トラックハウス・レーシングがどんな人たちで、どんなチームをこの取り組みに投入してくれるかもわかっている」と続けたカストロネベス。
「ノースカロライナのレースショップに行って、みんなと会ってデイトナに向け準備するのが待ち切れない。学ばなければならないことがたくさんあるが、すでに準備は万端さ」
その2025年“Great American Race”は、現地2月12日より50分間のプレ予選プラクティスから、オープンエントリーを含めた走行が開始される。