王者アル-アティヤにもトラブル発生。トヨタ/GRは“マラソンステージ”前半で上位独占【ダカールラリー2025】

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2025年01月09日 00:20  AUTOSPORT web

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タイヤトラブルに見舞われたナッサー・アル-アティヤ(ダチア・サンドライダー) ダカールラリー2025
 1月8日、サウジアラビアを舞台に開催されている2025年W2RC世界ラリーレイド選手権の開幕戦『ダカールラリー2025』のステージ4が行われ、オーバードライブ・レーシングのヤジード・アル・ラジ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ)がステージウインを飾った。そして総合順位では、同じくトヨタ・ガズー・レーシングのヘンク・ラテガン(GRダカール・ハイラックスEVO)が首位に立ち、6分54秒のリードを築いている。

 もっとも過酷なモータースポーツ競技のひとつとされるダカールラリー。1月3日に走行が始まった2025年大会は、最初の拠点となっていた『ビシャ』の地を離れ、サウジアラビア国内を転々とする中盤戦に突入した。

 2025年大会の序盤は、新始動のフォードやダチア勢にクラッシュが続出し、カルロス・サインツ(フォード・ラプター)やセバスチャン・ローブ(ダチア・サンドライダー)のリタイアが早々に決まるなか、トヨタ/GR勢の安定したトップ争いが目立つ展開となっている。

 8日に実施されたステージ4『アル・ヘナキヤ〜アルウラ』全588kmでは、紅海に面するサウジアラビア西部を北方向へ走る。路面としては、グラベル、砂漠、ダートの3種類が入れ替わりながら出現するステージだ。

 またこのステージ4は、翌日のステージ5とセットとなる『マラソンステージ』として設定されている。これは、メーカーチームとプライベーター/独立チーム間のリソース量による格差をなくすことを目的としたもので、両区間ではチームのアシストメンバーの参加が禁止される。ただ、各クルーはともにひとつの大きなキャンプ地で夜を明かすことになっており、その間の各クルー同士によるアシスト整備は許可される。

 冷え込んだなかでスタートしたステージ4についても、序盤からアル・ラジやラテガンらトヨタ勢がハイペースを披露し、総合順位もリードするふたりがワン・ツー体制を構築。

 その後ろでは、センチュリー・レーシング・ファクトリーチームのマルセロ・ガスタルディ(センチュリーCR7)とフォードMスポーツのミッチェル・ガスリー(フォード・ラプター)がステージ3番手争いを繰り広げていった。

 一方、ダチアブランドで唯一の総合上位を争う立場となっていたナッサー・アル-アティヤ(ダチア・サンドライダー)は、97km地点でタイヤトラブルに見舞われてしまった。現場には、あとから出発したチームメイトのクリスティーナ・グティエレスもかけつけ、タイヤパンクやサスペンションアーム破損の応急処置をサポート。2024年W2RC王者でありダカールを5度制した実力者は、なんとかコース復帰を果たしたものの30分以上遅れる事態となった。

 こうしてライバルがひとり減ったなか、アル・ラジとラテガンらが繰り広げたトヨタ同士のトップ争いでは、追う側のラテガン(トヨタGR)が徐々にペースを落としたことでその差は開いていき、アル・ラジ(オーバードライブ・レーシング)が今大会初のステージウインを飾った。ステージ3番手には、フォードMスポーツのミッチェル・ガスリー(フォード・ラプター)がつけていたものの、スピード違反によるペナルティでポジションを下げ、オーバードライブ・レーシングのファン・クルス・ヤコピニ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ)が入っている。

 総合順位では、ステージ2番手となったラテガン(トヨタGR)が6分54秒のギャップを守って首位をキープ。アル・ラジはハイペースの甲斐あって総合2番手に復帰しており、総合3番手の座はフォードMスポーツのマティアス・エクストローム(フォード・ラプター)が守っている。

 2輪部門については、コーヴェ・ファクトリーレーシングのメイソン・クライン(コーヴェ450ラリー)が序盤からハイペースを披露。クラインの独走を阻止すべく、総合首位に立つレッドブルKTMファクトリーレーシングのダニエル・サンダース(KTM450ラリーファクトリー)や、モンスターエナジー・ホンダHRCのトーシャ・シャレイナ(ホンダCRF450ラリー)らが追い上げた。

 しかし、首位のクラインはステージ中盤の200kmで結膜炎を発症してしまい、ペースを落とさざるを得ない状況に。現地で医療チームによる診察をうけつつ、引き続きゴールを目指したもののステージ4の最速戦線からは脱落してしまった。

 その結果、シャレイナ(ホンダ)がステージトップに躍り出たが、最終盤にペースを上げたサンダース(KTM)がベストタイムを更新し、プロローグを含めて今大会4度目のステージウインを飾った。

 シャレイナに続くステージ3番手には、シェルコ・ラリーファクトリーのルイ・ゴンサルベス(シェルコ450SEFラリー)との争いを制したヒーロー・モータースポーツ・チームラリーのホセ・イグナチオ・コルネホ(ヒーロー450ラリー)が入った。

 そして、サンダース(KTM)がリードしている総合争いでは、13分26秒でシャレイナ(ホンダ)が続き、総合3番手には26分10秒遅れでヒーロー・モータースポーツ・チームラリーのロス・ブランチ(ヒーロー450ラリー)がつけている。

 明日はマラソンステージの後半となるステージ5『アルウラ〜ハイル』全492km(ステージ428km/リエゾン64km)が行われる予定だ。

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