元F1ドライバーのヤン・マグヌッセンがホンダ陣営で復帰「約1年ぶりで難しい仕事に」／TCRデンマーク

　北欧地域のモータースポーツ先進国として、欧州各国から数多くのタレントを集めるTCRデンマークだが、2023年までチーム・オートラウンジ・レーシングから参戦してきた元F1ドライバーのヤン・マグヌッセンがシリーズ本格復帰を発表。2025年はスウェーデンに拠点を構えるTPRモータースポーツからエントリーし、ホンダ製TCRモデルをドライブする。

　すでに確定しているチームメイト、マイク・ハルダーとレネ・ポヴルセンとともにJASモータースポーツ製モデルのステアリングを握ることが決まった大ベテランは、シリーズ創設初年度からフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRや、スペイン製クプラ・レオン・コンペティションTCRなどを走らせてきた。

「こうしてデンマークのモータースポーツ界に戻り、TCRデンマークでタイトルを争えることを本当に楽しみにしている」と、フル参戦最後の2023年はそのクプラでランキング4位を記録したマグヌッセン。

「他のドライバーが練習し、距離を重ねている間、私は1年間このTCRから離れていたから、難しい仕事になることは分かっている。だがレースに勝つためにここへ戻ってきたんだ」

「それにマイク（・ハルダー）のことはよく知っている。彼はタフだがフェアな競争相手であり、彼やルネ（・ポヴルセン）と一緒にチームに所属できること、そしてTCRでレースに勝てると証明してきたチームの一員になることを楽しみにしている」

　そのTPRチームは、マグヌッセンが新型モデルのFL5型ホンダ・シビック・タイプRに乗るのか、それとも旧世代のFK7型に乗るのかをまだ確認していない。

「ヤン・マグヌッセンのような熟練したレーシングドライバーと、素晴らしい個性を持つドライバーたちを迎え入れることができてうれしく思う」と応じたチームマネージャーのトニ・ペルシック。

「ヤンがマイク・ハルダーとレネ・ポヴルセンとともにチームを新たな高みへと引き上げてくれると確信している。2025年のTCRデンマークで3台それぞれのチャンピオンシップすべてに100％で挑むつもりだ」

　ドイツ出身で、かつてはヨーロッパ・シリーズに妹ミシェルと挑戦した経歴を持つハルダーは、チャンピオンのキャスパー・H・イェンセン（マスコット・モータースポーツ／FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR）との厳しい戦いの末、2024年最終戦では物議を醸す結末を迎えてランキング2位に終わっていた。

　そのパドボルパークでのファイナルを終え、バルセロナで行われた2024年TCRスペインのシーズン最終戦に参戦したハルダーは、ここで週末2勝を飾る印象的な活躍を演じ、これを契機に2025年はTCRスペインとTCRデンマークの双方でレースに出場することが確認された。

　一方、年間全6戦を経て、そのハルダーを37ポイント差で破りTCRデンマークで5年連続のタイトルを獲得したイェンセンも、タイトル防衛に向け所属チームでレースを続けることがアナウンスされている。

「我々はTCRデンマークへのサポートを継続できることを誇りに思っており、キャスパー・H・イェンセンのような優れたドライバーが、ふたたび2025年にチームに加わってくれるのは素晴らしいことだ」と語るのは、チームマネージャーのヘンリック・ルンドガード。

「これにより、興奮に満ちた新しいシーズン、そしてできれば多くの新しいハイライトが訪れることを楽しみにしている」