【ハイキュー‼×SVリーグ】ヴォレアス北海道の古賀健太は『ハイキュー‼』を読んで思い出す高校時代 春高バレー決勝で感じた「バレーの神様」

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2025年01月12日 07:20  webスポルティーバ

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『ハイキュー‼』×SVリーグ コラボ連載(26)

ヴォレアス北海道 古賀健太

(連載25:岡山シーガルズ中本柚朱の胸に刺さった星海光来の言葉 高さで「不利」でも粘りのバレーで勝つ>>)

「自分の好きなバレーで上に行きたい、と思っていました」

 古賀健太(27歳)は柔和な、低音の声でそう言った。東福岡高校時代はエースとして春高バレー連覇(2015、2016年)を達成。東亜大学では、トップリーグでプレーする自分を強くイメージし、躍動した。

「大学では1年の時から出してもらいました。オポジット、エースとして、高校時代以上に『自分がやらなきゃ』と思っていましたね。大事なところを決めて試合に勝ちたい気持ちもより強くなりましたし、全日本インカレでは石川祐希さんとも対戦して、『もっと努力してうまくなりたい』と思いました。すごい選手たちと同じ舞台でプレーするために」

 大学卒業後、大分三好ヴァイセアドラーで頭角を現すと、2022年には日本代表メンバー入り。2023年にヴォレアス北海道に移籍し、SVリーグでは外国人選手が多くを占めるオポジットで鎬を削る。

 古賀がバレーに目覚めたのは小学1年の時だった。当時、2歳上の兄の後ろをついてまわっていた。その兄が、父の知り合いがいるジュニアバレーボールチームに入ることになった。

「お兄ちゃんがやるなら僕もやる!」

 かわいい弟だった。最初はルールも知らず、レシーブは痛かったという。同時に、上から打つ姿に憧れた。

「できないのが悔しくて、『できるようになりたい』と思ってからは、どんどん練習するようになりました。それで小学3、4年にはスパイクも打ち始めて、攻撃が面白いと感じて。『もっと、あれをやりたい、これをやりたい』と思うようになり、バレーにハマっていきました」

 彼のキャリアを引っ張ったのは、やはり兄の存在だった。

「自分が小学4年の時、6年生の兄はエースでした。兄が卒業したあとは自分が打つようになりましたが......中学も同じで、やっぱり2歳上の兄には勝てませんでした(笑)」

 古賀は兄を誇るように語る。

「兄はうまかったし、尊敬していました。自分は、小さい頃はパワー重視で技の引き出しが少なく、対照的に兄はその引き出しが多かった。そんなに話すほうではないですが、その分、プレーで見せてくれました。自分も中学2年頃から、兄のようにレシーブをうまくなろうと必死になったし、『スパイクも打ち分けられるようになりたい』と思いました」

 先を行く兄を全力で追うことで、彼はたくましく成長した。高校は兄と違うところに進み、1年の時には福岡県の春高バレー予選の準々決勝で戦った。

「初めての兄との勝負は新鮮だったし、絶対負けたくなかったです。不思議な感じもしましたね。兄とはマッチアップもして、ブロックにいきましたけど、『やっぱりうまいな』という印象が残っています」

 古賀は懐かしむように優しい口調で言う。スパイクを打つ時の猛々しい表情と比べると、別人に近い。逆に、コートではそこまで必死に挑んでいるのだろう。

 そのおかげか、試合中に"何かに導かれる"ような錯覚を覚えたことがある。

 高校3年時の春高バレー準決勝のファイナルセット、8−6でリードした場面から2度、彼は託されたトスを決められなかった。流れは悪くなったが、相手のサーブミスで息を吹き返す。次のサーバーは自分で、「エースを取りにいく」という強い気持ちで挑み、決めてみせた。さらにもう一本を決めてそのまま勝利し、決勝も勝って頂点まで駆け上がった。

「大事なところで決められて、天使じゃないですけど、バレーの神様が今までの自分を見てくれていたのかなって思いました」

 古賀は、運命に感謝する。その行動が自らの道を照らしてきた。だからこそ、彼はバレーを裏切らない。

【古賀が語る『ハイキュー!!』の魅力】

――『ハイキュー!!』、作品の魅力とは?

「ハイキューは漫画、アニメ、映画も面白くて。他の選手たちも『映画、見た?』といった話をよくします。ブロックの駆け引き、スパイクを打つ時に何を考えているかなど、自分と重ねることも多いですね」

――共感、学んだことは?

「春高に出るため、みんなが必死になっているのも、自分の高校時代を思い出します。居残り練習とかも、同じようなことやっていたなって(笑)。大学時代も、ひたすら自主練をしたし、セッターとはコンビ練習をやりました。リベロにもつき合ってもらって、2段トスをいろんなコースに打つこともあったんですが、そんな日々を思い出します」

――印象に残った名言は?

「稲荷崎の北信介さんの『ちゃんとやんねん』ですね。北さんはバレーのことだけじゃなくて、何事も怠らず真面目にコツコツとやるじゃないですか。自分もずっとやり続けるのが大事だと思っていますし、いい言葉だなって思います」

――好きなキャラクター、ベスト3は?

「1位は白鳥沢学園のウシワカ(牛島若利)ですね。自分と同じ左利きのオポジットで、大事なところで決めるし、負けていられないですね(笑)。あんな選手になりたいです。2位は北さん。さっきの『ちゃんとやんねん』もいいですが、試合に出られなくても、チームのために何ができるかを考えているところもいい。

 3位は迷いますが、月島(蛍)です。最初は自主練などをしていないのに、日向(翔陽)や影山(飛雄)などに触発されてバレーにのめり込んでいき、白鳥沢学園戦での『待ってたよ』は名場面。あそこで止めたら、あんな感覚になるでしょうね」

――ベストゲームは?

「烏野vs白鳥沢学園です。名言が多いし、個性的な選手たちの戦いがフルセットまで続いて、ドラマがありますよね」

【プロフィール】

古賀健太(こが・けんた)

所属:ヴォレアス北海道 

1997年9月17日生まれ、福岡県出身。188cm・オポジット。兄の影響で小学1年からバレーボールを始める。東福岡高校では2015年、2016年(2年、3年時)に春高バレーで優勝した。東亜大学を経て、2020年に大分三好ヴァイセアドラーに入団。2022年に日本代表登録メンバーに選出された。2023年にヴォレアス北海道に移籍した。

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